バイオ環境学部 食農学科

農業生産学研究室

main_img_pc.jpg

ヤマノイモの仲間でねばり気のある「かめまるいも」。元は東南アジア原産のいもを「亀岡の名産にしよう!」と「かめまるいも特産化プロジェクト」が品種改良。今ではすっかり亀岡ブランドとして定着。今後も地域の農家と共に「いもプロ」の活動を拡大するのだとか。

icon_3_pc.png

kenkyu_midashi_pc.png

f1_mizuki.jpg

img05_pc.jpg

img03_pc.jpg

f1_toukashiken.jpg

地域に密着した新たな食材の供給に挑む

食と農を幅広く理解した技術者育成を目的に、地域密着型の新たな作物・品種や持続可能な農業生産 技術の開発に挑みます。組織培養技術を利用した作物の改良、地域に適した機能性食材の開発、さらに地域の特徴を活かした特産品の創出などで、地域の農業に貢献します。例えば、「新種苗開発センター」では、農業生産学の 成果を活かして、熱帯生まれの粘りの強い“かめまるいも”(アラータイモと呼ばれるヤマノイモの仲間)の開発と普及、真冬でも暖房無しで栽培できる新種のトマトの開発などに取り組んでいます。

icon_3_pc.png

教員紹介

73722-1.jpg

北島 宣

satou03-1.jpg

佐藤 隆徳

funatsuki-mini.jpg

船附 秀行

icon_3_pc.png

pickup_midashi_og.png

研究室で生まれた野菜の品種が亀岡の特産品に

img02_pc.jpg

野菜・果樹や大麦・小麦の育種と栽培を研究している農業生産学研究室。ここで生まれた品種のいくつかは、すでに流通して京都地域の人気野菜となっています。
そのひとつが「かめまるいも」です。「ダイショ」と呼ばれるヤマノイモの仲間で、原産地は熱帯から亜熱帯地域。それを亀岡でも栽培できるよう、寒さに強くなるように改良しました。品質にもこだわり、粘り強く、濃厚な味わいを実現しています。煮ても焼いてもおいしいため、お店に並ぶとすぐに売り切れてしまうほどです。
「かめまるいも」以外にも、新しい系統の育成や組織培養法を用いた苗生産の方法などについての研究を進めています。京都亀岡キャンパス周辺の農家でつくる「特産物を考える会」において、そうした野菜の栽培と販売を始めました。そのなかで、生産の拡大と加工利用を含めた新しい利用法の開発も試みています。

京都の暑い夏場でも収穫可能な新しい夏野菜をつくる

亀岡の新名物をつくるという取り組みも行なっています。
たとえば「なつさや」(さやまめ)というササゲの新品種。京都は夏の暑さが厳しいため、真夏にはあまり多くの野菜を育てることができません。そこで、アフリカ原産で暑さや乾燥に強いササゲに注目し、味の改良に取り組みました。インゲンマメに味の面で劣るため、一時は育てられなくなっていたササゲですが、「なつさや」(さやまめ)は上質な食味を実現したことにより、亀岡の夏の新定番となりつつあります。

小麦・大麦の新品種を加工品でPR。機能性の高いフランスパンの開発

img04_pc.jpg

品種を作り出すことも大切ですが、食農学科のコンセプトは「畑から胃袋まで」。新しい品種の特性を生かして広めていくためには、加工も重要なテーマになります。
たとえば、ある学生は卒業研究でβ-グルカンを多く含むフランスパンを試作しました。β-グルカンとはコレステロール値を下げたり、血糖値の急な上昇を抑えたりすることのできる食物繊維。フランスパンの原料となる小麦粉に、β-グルカンをとくに豊富に含む大麦の新品種の粉をブレンドしたのです。
また、パンの試作に先立って新品種の小麦・大麦をキャンパス内で栽培し、亀岡の気候・土壌で育てられるということも実証。新しい品種や食材を地産地消する方法として、ひとつの形にまとめることができました。
このように栽培から加工までを地域内で行うことができ、健康面でも機能の高い食品の開発は、地域おこしの起爆剤として利用できる可能性があります。

他の研究室とも連携しながら、栽培から加工まで実践的に学ぶ

品種の開発から栽培、加工までを一貫して行えるのは、バイオ環境学部食農学科の最大の特色かもしれません。
規模の大きな大学では同じ学部でも別の領域との連携が難しいものですが、ここでは他の研究室との共同開発にも自由に取り組むことができます。同じ学科の食品加工学研究室と協力して「かめまるいも」粉末を利用したドーナッツをつくったり、発酵醸造学研究室と協力して、β-グルカンが豊富なビールをつくった学生もいます。
「品種改良」、「栽培」、「加工」といった枠組みにとらわれることなく、作物、栽培環境から地域活性化までトータルで考えられる力を養ってほしいと思っています。

卒業後の進路

まだ卒業生はいませんが、農業や食品関係の民間企業を希望する学生が多いようです。それ以外では、公務員として都道府県・市町村の農務部、農業係に勤務したり、農業科の教員、さらに農業協同組合(JA)に就職することも考えられます。また、研究者を目指す学生には大学院への進学を薦めています。

icon_3_pc.png

卒業研究の一例

野菜と米麦を中心に、品種改良や栽培技術、さらに利用技術について研究を行っています。

  • トマト ‘シンディースイート’ × ‘京てまり’ F1 における形質評価と優良系統の選抜
  • トマト ‘シンディースイート’ × ‘京てまり’ F2 集団における単為結果性優良系統の選抜
  • 無核紀州型無核性ブンタン ‘瑞季’ の高温環境における種子発育機構の解明
  • 箕面在来系統の無核性ユズにおける種子形成抑制機構の解明
  • 我が国のユズ在来系統における類縁関係の解明 ‐ 多型マーカーの開発 ‐
  • ダイショ(Dioscorea alata L.) の繁殖方法の確立と栽培方法の改良
  • ナガササゲ(サヤマメ)品種 ‘なつさや’ の特性及び収量性調査と品種改良
  • 京都府宮津市在来のサトイモ品種 ‘香河里芋’ の品種特性の解明
  • ツケナF1 品種 ‘京丹波菜’ の効率的採種法の開発
  • 酒米用水稲品種の亀岡地域への適応性と作期が収量、品質に及ぼす影響
  • 国産硬質小麦粉と高β-グルカン大麦粉のブレンドによる機能性に優れたフランスパンの開発

研究設備・研究フィールド

20130406-140024-3018.jpg

温室

setubi02.jpg

京都亀岡キャンパス農場

setubi01.jpg

研究・実習用ビニールハウス

このページの先頭へ