学科トピックス

2019年10月26日

寺子屋の子供になってくずし字を読んでみよう!

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大学で学ぶ歴史学では、みなさんが今まで慣れ親しんできたアニメやゲーム、漫画のなかで活躍するキャラクターたちの全く違う姿がみられるかもしれません。坂本龍馬や伊達政宗、みなさんがよく知っている人たちは、実際に多くの手紙などを書いています。彼ら自身が書いたもの、またその周りにいた人たちが残した記録などから、彼らの行動や考えていたことを読み取ることができます。そこから、創作物のなかで作られたイメージとは異なる、真実の彼らの姿が浮かび上がります。

実際に歴史上に生きた人たちが残してくれた古文書(こもんじょ)を読み、そこからその人たちの実像を、さらにはその人たちが生きた社会の実像を明らかにしていくのが、歴史学の醍醐味でもあります。

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古文書講読Ⅰ・Ⅱの授業では、みなさんに、実際に昔の人が書いた文字を読んでもらいます。昔の人が書いた文字をくずし字といいます。ぱっとみたら、まるでアラビア文字のようで何が書いてあるのか全くわからないかもしれませんが、書かれているのは今とはちょっと違いますが、一応、同じ日本語です。ある程度、基本的なことを習いながら、何度か読んでいけば、ほとんどの人がある程度の文字なら読むことができるようになります。

江戸時代の子どもたちは寺子屋とよばれる、今でいう小学校のようなところに通って、文字の読み書きを習っていました。古文書講読の授業では、実際に江戸時代の子どもたちが読んでいた教科書を、みなさんに読んでもらいます。小学生が読み書きしていたものです。読めない方がおかしいですよね?

そうして慣れてきたら大人が書いたものも読んでもらいます。昔の人が書きのこした手紙を読めるようになるということは、タイムマシーンにのって、昔の人にインタビューができるようになるようなものです。織田信長や新選組の土方さんが書いたものをすらすら読めるようになったら、かっこいいと思いませんか?

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鍛治 宏介 准教授
専門は日本史(江戸時代)。担当科目は日本史概説、日本文化史、歴史民俗学資料講読(日本史)、歴史民俗学上級講読。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、同研究科特定助教などを経て、現職。論文に「近江八景詩歌の伝播と受容」など。

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