5月30日、サムライ文化論第2回シンポジウムが本学京町家キャンパスにて実施された。
昨年11月21日に『サムライ文化論序説―サムライの意味するところと国際化―』では、時系列としては平安時代末期から戦国時代までを見渡した。それを受けて今回は戦国時代から江戸時代へ変わっていく中でのサムライを考えることにした。集まったのは一般、学生、卒業生、研究者等で30余名。
まずは歴史民俗学専攻の佐々木教授が、魅力的な講義を創り出す試みの一環として『サムライ文化論』をはじめたとシンポジウムの趣旨を説明した。
続いて講演は「サムライと儒教との出会い―山鹿流『士道』誕生の謎に迫る―」と題したもので、講師は日本思想史、日韓儒教研究が専攻である島根県立大学の井上厚史教授であった。戦国時代を生き抜いてきたサムライたちが江戸時代になり、中国流の道徳や知識、朱子学を学ばなければならなくなった。その時どのようにして新時代に適合しようとしたのかを、山鹿素行のテキストを通じて見て見るというものであった。先生自身も京都の町家でまるで藩校や塾のようなスタイルで語れることを非常に喜ばれていた。
続いて、歴史民俗学専攻の青盛准教授、吉村専攻主任、高槻市立しろあと歴史館学芸員の中西裕樹講師の三人に登場いただいて、堀田教授の司会によってコメントと討論、質疑応答がおこなわれた。
テキストの読み込みにより、素行が士大夫の倫理よりも、むしろ戦国期の信実の勇気を称賛したことを中心に、素行の生きた江戸時代初期、平和になって50年の時代に思いを馳せた。会場からの質疑応答のうちに話しは幕末にまでおよび、これはまた幕末をやらずばなるまいという所でおひらきになった。
2010年6月2日 人間文化学部 歴史民俗学専攻

