京都学園大学第33回公開講座が,10月5日と7日にキャンパスプラザ京都で開催されました.今回は「民主主義と経済学」を統一テーマに、民主的な社会的意思決定の代表的な方法である「選挙」に内在する諸問題と、民主主義の不完全性を補完する住民の側の対応に焦点が当てられました.その概要は以下の通りです.
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第1日目のテーマは,「民主主義は失敗する!?-選挙の経済学-」と題して本学経済学部久下沼仁笥助教授が,公共選択論の研究成果を踏まえ,民主的な「投票」が必ずしも有権者にとって最適かつ矛盾の無い選択を保証するわけではなく,投票ルールによっては有権者にとって最悪の選択を招く可能性すらあることを指摘しました.
講座の中で,特に興味深かった点は,投票のルールは単純多数決だけでなく,様々なルールが実際の個々のケースごとに採用されていること,そしてその投票結果は,同じ有権者および同じ選択肢の下であっても採用された投票ルールによって異なってくるとの指摘でした.とすれば,社会的に最適な選択をするためには,投票のルールをどのように決めたら良いのでしょうか?民主主義の難しさ(困難さ)について,大いに考えさせられました.
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第2日目のテーマは,「民主主義は失敗しない!?-選挙だけが民主主義ではない-」と題して本学経済学部坂本直樹講師が,「手による投票」を補完する「足による投票」の意義を明らかにしました.
「投票」という言葉では一般に,投票用紙に記入し,投票箱に入れる「手による投票」が連想されますが,私達はとくに地域団体からの公共サービスを受ける場合,各自の好む居住地に転居すれば,より大きな満足を享受できます.この結果,地域社会は類型化され,地域住民は公共サービスに対して類似の選好をもつ有権者から構成されるようになります.そのような場合,「手による投票」結果は,「足による投票」メカニズムが働かない場合よりも住民の選好をより的確に反映するこが可能になります.講座では,こうした「足による投票」メカニズムが実際に機能している可能性を示唆する興味深い実証研究も紹介されました.
2005/10/11 総合企画課