「社会学入門」「社会学概論」の勉強の仕方 (2007年記)
以下は京都学園大学で川田担当の「社会学入門」ないし「社会学概論」を受講している学生が社会学を勉強するためのガイドです。(部分的には他大学で社会学を学ぶ学生さんにも役立つ内容もあるかもしれません)
1・講義の内容
「社会学入門」では、現代社会、とくに現代日本の様々な社会現象・社会問題 ― 家族、教育、社会格差、民族問題、宗教など ― について、とくに現代日本で起こっていることを紹介をしながら、社会学の観点から説明していきます。シラバスはこちらでみることができます。
「社会学概論」(川田担当)は、赤ちゃんから老人にいたるまでの人間の成長の初段階にそくしながら、個人の成長と社会との関わりについて概説していきます。「社会学概論」の方がより特殊な観点からの社会学ですから、できれば、「社会学入門」を履修してから、「社会学概論」を受講してください。シラバスはこちらでみることができます。
どちらの講義も、高校までの科目でいえば「現代社会」と重なる部分がわりと多い内容となります。基礎学力に不安を覚える方は、「現代社会」の教科書や参考書を再読するとよいでしょう。
2・受講の仕方
講義ではだいたい毎回レジメ(レジュメとも。講義の概要を記したもの)を配ります。これに目をやりながら、講義を聞いて、レジメにメモなどしていってください。そうすれば、大筋は理解できるようにしているつもりです。またページごとに重要ターム(専門用語)を穴埋めする箇所があります。講義中に正解を言いますので、講義をよく聴いていましょう。講義内容やレジメでわからない部分、理解しにくい部分などがあれば、いつでも遠慮なく質問してください。
3・小レポート
講義のなかで、時々「小レポート」を書いてもらいます。「〜についてどう考えるか」といった課題を出しますので、みなさんは講義内容を参考にして自分の考えを書くことになります。この小レポートを書くことによって、講義で学んだ知識が整理され、理解していない部分を自覚することができるでしょう。また私がそれを読むことによって、みなさんの理解度を測り講義にフィード・バックします。単位を取得するうえでも、よい内容の小レポートを書くことが大事です。
4・教科書
「社会学入門」には教科書があります。アンソニー・ギデンズ『社会学』(第4版)です。毎回の講義が教科書のどの部分に対応しているかは、要項ならびにレジメに書いてありますので、講義の前後に教科書の対応箇所を一読するようにしてください。この教科書はやや高価ですが古本で手に入れることもできるでしょう(古い版であれば、かなり安いですので、どうしてもお金がなければそれでもよいでしょう)。「日本の古本屋」「アマゾン」などネット上の本屋で買えます(アマゾンで購入する場合はクレジット・カードが必要です)。
「社会学概論」には教科書はありませんが、講義やレジメで時々参考になる本を紹介しますので、とくに難しい箇所や興味をもったテーマについては、そういった本を読むようにしてください。
5・試験
学期末に試験があります。原則として記述式の試験で、みなさんが講義内容をどれだけ理解しているかを判定します(教科書の内容を問うわけではありません。ギデンズの『社会学』は内容の幅が広すぎますので)。講義で紹介した専門用語の意味や学説の概要を問うとともに、重要な社会現象・社会問題についてどれだけ(自分の言葉で)考え理解しているかをみます。また、講義以外でも、教科書などを読んで自分で勉強したことがわかるような答案になっている場合も、相応に評価されるでしょう。試験前に急いで勉強してみて、わからないところがでてきた時も、遠慮なく質問してください。「オフィス・アワー」が設けられていますから、その時間に私の研究室を訪れれば、なんでも質問できます。
6・もう少し勉強したい人は…
「社会学入門」を受講して、もっと社会学を学んでみたいと思った人は、学内ではさしあたって「社会学概論」を受講すればもう少し高度なことを学べるでしょう。人間文化学部にはもっと多様な社会学関連の講義がありますから、「他学部受講」の制度を使えば受講し単位を取得することもできます(履修方法は所属学部によって異なります)。
また、社会学はたいへん幅広い学問ですから、社会学の特定の分野に興味をもった場合は、それぞれの分野の入門書を読んでみるとよいでしょう。例えば、家族関係に興味を持ったならば、「家族社会学」という学問領域があり、いろいろな入門書が刊行されており、学園大学の図書館にもそろっています。さしあたって、図書館の社会学の棚を見てみるとよいかもしれません。
むろん、社会学の講義を履修しなくても、自分で勉強することは可能ですし、熱意と能力があればその方が手早く勉強できるかもしれません。そうした方におすすめの入門書は先にふれた『社会学』の他に、『命題コレクション社会学』(作田啓一・井上俊編、筑摩書房)があります。これは社会学の学説をコンパクトにまとめた本で、論理的な思考を好む人にはとくにおもしろいでしょう。また『岩波講座現代社会学』(全26巻)は、今日の社会学の諸分野・諸学説を網羅してますので、興味のある巻を手にとってみるとよいでしょう。いずれも学園大学図書館にあります。
また、社会学は社会科学・人文学全般にまたがる、幅広い学問ですので、他の分野の学問を学ぶ人にも有用な発想・知見を提供するかもしれません。例えば、文学を研究しようと思うのだが、既存の専門家たちの方法なり視点にあきたらないものを感じたとき、「文学の社会学」や「文化社会学」といったものを学べば、新しい刺激を得ることができるかもしれません。世界の社会学のなかでも日本の社会学の世界は、方法や研究対象にかんして、相当に自由ですので、他分野から転向してくるものにとっても魅力的だと思います。私の講義を履修するみなさんは、経済学・経営学・法学などが専門ですが、経済社会学、法社会学といった学問分野も存在します。専門ゼミでの勉強や卒論の準備などの場面で、社会学を活かすことができればよい導きの糸、アクセントになるかもしれません。
7・もっと勉強したい人は…
さらにもっと社会学を学びたい方には、大学院進学をおすすめします。学園大学の人間文化研究科でも社会学を学べますし、全国に、あるいは全世界に社会学の大学院はたくさんあります。例えば経済学部からすぐに社会学の大学院に進学するのは難しいかもしれませんので、どこかの大学院の「聴講生」や「研究生」といった立場で1年ほど在学しながら勉強して院試を受けるというのがよいかもしれません。
社会学は研究対象がとても幅広く、その分個々の対象における研究の蓄積が少ないことの多い学問ですから、他分野では研究対象とできないような明確で独自の研究対象を持っているか、そうでなければ、小さな学説や対象に閉じこもらずに、大きく多角的な問題意識をもって望むことがよいでしょう。そのためには、様々な対象への幅広く自由な興味と自分でものを考え構築していく力が相当必要ですから、社会学はそうしたタイプの人にとくにむいている学問だと言えるでしょう。
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