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2008年度「白書で学ぶ現代日本」公開講演会

経済学部開講の公開講座「白書で学ぶ現代日本」の一環として、本年度7月に発表された『平成20年度経済財政白書-リスクに立ち向かう日本経済-』を、京都リサーチパークにて開催の特別公開講演会として取り上げ、その主要な論点を「日本経済の現状と課題」と題して、内閣府参事官補佐の平井滋氏より解説頂いた。

白書の第1章では、毎年その年の日本の景気動向に関する分析を取り上げているが、今年度7月の白書発表後にサブプライム・ローン問題に端を発する世界規模での金融危機とその世界経済への影響が顕在化したことを受け、急遽、10月20日の「月例経済報告」に基づく直近の景気動向に関する解説に変更頂いた。はじめに、10月月例経済報告での基調判断では「景気は弱まっている」との表現が用いられ、日本の足もとの景気が後退局面入りしたことを政府見解として明確に示されたことが説明された。さらに、欧米の金融危機の更なる悪化や世界経済の一層の下振れが懸念される状況にあり、日本経済もその影響を受けてさらに減速するリスクがあるとの説明がなされた。

次に、白書第1章で取り上げられた、日本経済が直面している「短期的なリスク」と位置づけて、サブプライム・住宅ローン問題の深刻化と、その影響が日本を含めた世界経済へ波及するメカニズムについて丁寧な説明が行われた。また、原油・原材料価格の高騰が日本経済に及ぼす影響について、特に物価・賃金に焦点を当てた解説がなされた。

そして、日本経済にとっての「長期的なリスク」として、白書第3章の「高齢化・人口減少と財政課題」が取り上げられ、高齢化・人口減少がもたらすリスクとして経済成長、社会保障財政、あるいは歳入構造への影響が説明され、「政府が日本経済のリスク」とならぬよう、それに備えた財政のあり方を検討する必要性が強調された。

最後に、日本経済にとっての「中期的なリスク」として、白書第2章の「企業・家計のリスク対応力」が取り上げられ、国際比較の視点から日本の企業および家計のリスクテイク、リクスヘッジの能力に言及され、それが今後の日本経済の成長に及ぼしうる影響について概説された。

解説終了後は、本学学生や市民との質疑応答として、サブプライム・ローン問題と日本経済との関連、さらには財政赤字と税制の問題などについての質問が出され、講師の平井氏からの説明・回答を通じて現在の日本の経済状況への理解を深めることができた。また、講演会後に回収されたアンケートでは、図表を用いた分かり易い平井氏の解説に対する謝辞が多く出され、有意義な時間を過ごせたとし、今後の講演会開催の継続を期待する暖かい支持を頂いた。

内閣府参事官補佐 平井滋氏
内閣府参事官補佐 平井滋氏
熱心に聞き入る参加者
熱心に聞き入る参加者
 

関連資料へのリンク

経済学部学会2008年度第5回研究会
内閣府HP『平成20年度経済財政白書』
内閣府HP「平成20年度10月 月例経済報告」