オーストラリアと日本の間には、社会的にも経済的にも活発な交流がありますが、残念なことに、その興味深い文化については、日本ではほとんど知られていません。
京都学園大学での講義「西洋のゲームとスポーツ」では、私たちオーストラリア人の社会と文化、とくに日本とはまったく異なるスポーツ風土に光を当てながら、そのさまざまな局面について皆さんといっしょに考えていきます。その中から、今回は「クリケット」についてお話ししましょう。

「クリケット」は、日本ではほとんど知られていないスポーツですよね。簡単に説明しておけば、これはもともとオーストラリアに入植してきた英国人が持ち込んだものです。同様に英国の植民地となったインドなど英連邦各国でも盛んに競技されていますが、オーストラリア・チームは世界的にトップレベルの実力を持っています。
ゲームは攻守それぞれ11人のチームで戦われます。塁が二つしかない野球をイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。ゲームの特色はいろいろあるのですが、何といっても印象的なのはその長さです。伝統的なゲームは、朝から晩まで、数日間にわたって続くのです。また、風向きや湿度といった気候条件がボールの動きを大きく左右するため、数日先の天気を予想して戦略を立てなくてはならないことも特徴の一つです。このあたり、天気が重要な話題となる英国の雰囲気を色濃く残していて興味深いですね。
オーストラリア人はこの長いゲームを、仕事をしながら、あるいは本を読みながら、そしてもちろん仲間と食事やお酒を飲みながら、ゆったりと楽しみます。

オーストラリアの人たちは、「暇つぶし」がとても上手です。スポーツも、そのための一つ。年齢や職業を問わず、幅広い人たちが地域のクラブやチームに所属して、実際にプレイを楽しんでいます。さらに、みんなでその結果を予想したり、選手の一人一人について論じあったり、いろいろなやり方でスポーツを楽しんでいます。オーストラリア社会における、人と人とのつながりや地域への愛着は、このようなスポーツとの関わりによって成立しているともいえるのです。
講義を通じて、皆さんの知らないオーストラリアの姿を、少しずつお伝えしていきたいと思っています。多様な文化に触れる、実践的で楽しい時間を一緒に過ごしましょう。そして、できたら実際にクリケットをプレイしてみたいですね!