健康診断では、血液検査がとても重要です。それと同様に、街に流れる川もその街の環境をよく現します。川を見れば、多くのことがわかります。たとえば川岸に黄色の花が咲き乱れていれば、その川の水は過栄養、すなわち汚れていると判断できます。また、街の中の神社に行けば、大気汚染について知ることができます。神社の木々には、ウメノキゴケという地衣類が付着していることがあります。この地衣類は大気汚染に敏感な生物なので、これを見つけることができればその街の大気はあまり汚染されていないと判断できるのです。健康診断にたとえるなら、街の顔色をみるとでもいえばよいでしょうか。街の環境保全の第一歩は、このような小さな手がかりから現在の環境の状態を知ること。街を「実際に歩き」、「気づく」ことで始められるこれらの方法は、有効な環境診断法になりえます。

原 雄一 教授
担当科目は「都市自然化デザイン論」「都市環境診断学」「都市水辺環境論」「環境アセスメント」「水系管理計画学」「都市排水廃棄物論」等。
流域管理・流域診断などの環境コンサルタントを経て現職。