私たちは、生涯を通じて1人平均で約3億円前後の所得を稼ぐといわれています。そして、その3億円の中から、所得税・住民税・社会保険料などを直接に政府によって徴収され、またお金を使う際には消費税・酒税・ガソリン税なども支払っています。こうして政府に支払う「税」は生涯を通じて1億円を超えます。他方、税金などを通じて政府が私たちから集めたお金は、公共事業・教育・福祉・医療・年金・防衛・警察など様々な公共サービスを通じて私たちに再び還元されます。また、政府はお金が不足すれば「公債」を発行して私たちからお金を借りる一方で、そのお金の一部を過去の借金を返済するために使っています。ここでよく考えてみればわかるとおり、政府の活動に必要なお金を誰がどれだけ負担するべきか、という「負担」の問題は、政府の「支出」の問題とコインの表と裏の関係にあります。私たち市民の現実生活と不可分な政府の活動はそもそもなぜ必要か、政府は何をして何をすべきでないか、私たち市民は政府をコントロールできるのか、といった基本的な視点から政府を経済学的に分析するのが「公共経済学」です。


久下沼 仁笥 教授
担当科目は「公共経済学」「白書で学ぶ現代日本」等。中央大学大学院。
専門は公共経済学、公共選択論。