経済学は18世紀の近代ヨーロッパで誕生した比較的新しい学問分野ですが、その前史をたどると近代国家が成立する15世紀頃にまで遡ることができます。しかし経済学は、時代とともに進化するきわめて現実的な学問であるため、法学や政治学などの他の社会科学に比べるとその歴史は比較的短いにもかかわらず、実に変化に富んでいます。授業では、経済学の成立と発展に大きく貢献した有名な人物として、アダム・スミス、マルクス、ケインズなどを中心に取り上げますが、スミス以前の経済学の「前史」はもちろん、ケインズ以後の現代経済学の潮流も視野に入れて講義を組み立てています。 授業で特に力を入れているのは、ただ過去の経済理論を知識として学ぶだけではなく、その理論が生まれた歴史的=思想的背景を明らかにすることです。そうした方法によって経済学が進化してゆく理由を正しく理解できると考えるからです。こうして学んだ知識は、大学で経済学を学んでいくうえでの基礎となるばかりではなく、実社会で実際に活躍する場合に必要とされる「経済学的なものの見方」を育む力となるはずです。また、公務員試験や民間企業の面接試験では、意外に経済学史の知識を問う問題がよく出題されますので、就職対策としても有益です。


渡辺 恵一 教授
担当科目は「経済学史」等。大阪市立大学大学院後期博士課程修了。
専門はアダム・スミス研究。