最近、「カリスマ」という言葉をよく聞くけれど、もともとは神様に贈られた超人的な力を意味していたらしい。ナポレオン・ヒトラー・織田信長など、歴史上で「カリスマ」とよばれる指導者を並べてみると、ある共通点に気がつく。彼らは、よそからやってきて、古い常識を壊し、新しいルールや価値を自分の手でつくり出した人たちなのである。だから、「カリスマ」と出会うと世界観が変わったという人も出てくる。熱烈な崇拝者たちも現れる。ところが、おもしろいことに、「カリスマ」がじつはペテン師であっても、「カリスマ」と崇拝者の関係はホンモノの場合とさほど変わらないのだ。つまり「カリスマ」は神の賜物というより、むしろ人と人の関係性から生まれた社会現象なのである。こんなふうに理論的に人間をみるとおもしろい発見があることを《理論社会学》は教えてくれる。

岡崎 宏樹 准教授
担当科目は「理論社会学」「現代社会論」「ポップ・ミュージック論」等。
京都大学大学院。文学博士。専門は理論社会学、音楽社会学。