「京都学園大学に行ってみた」をやってみた。夏生さえり カツセマサヒコ 田中泰延

「京都学園大学に行ってみた」をやってみた。
夏生さえり カツセマサヒコ 田中泰延

知ったかぶりも本気なら 

田中泰延

2年前、2016年5月10日、夜。

大阪に住む私はハイボールを飲んでいた。さし向かいに座るのは京都学園大学のスズキさん。スズキさんは、「私の勤務する京都学園大学のサイトで、画期的なコンテンツを作りたいんです」と言った。

「これから大学を受験する高校生に、大学で学ぶって、こんなに面白いことなんだと知ってもらいたい。いや、受験生だけじゃなくて、大学の学問って何をするんだろう?と思うすべての人に読んでもらいたい記事を、はじめたいんです。うちの大学には魅力的な教員がたくさんいます。話を聴いて欲しいんです」

私は酒に酔っているものだから適当な返事をする。「ああ、いいですね、やりましょうやりましょう」。しかしスズキさんはさらに具体的な策を持っていた。

「それには、いま、web上で人気のライター、“ さえりさん ” や “ カツセマサヒコ ” さん。それに漫画家の“ かっぴー ” さんに記事を書いていただくのはどうでしょう?」

ハイボールで気が大きくなった私は、とんでもない知ったかぶりを炸裂させた。

「ああ、その連中なら親しいですよ。私の子分みたいなものです。なんでもいうこと聞きますよ。ハハハ、任せてください」

しかし、恐ろしいことに、私はその誰とも会ったことがなかったのだった。

翌朝、スズキさんからメールが届く。

【昨夜の件、ご快諾ありがとうございます。掲載日は6月8日と決定しました。つきましては明後日、5月13日に教員のインタビューを行っていただきたいと思います。ライターの皆様の東京からの乗車券などは手配いたします】

あさって…?私はこのメールを途中まで読んだ時点で、面識もないさえりさん、カツセマサヒコさん、かっぴーさんにメールを送信し、走って新幹線に飛び乗った。

「はじめまして。田中と申します。今日か明日、お時間ありませんか。どこかファミレスとかでいいのでお会いできませんか。急な話で非常に申し上げにくいのですが、あさって、京都へ来ていただきたいのです」

滅茶苦茶である。しかし、滅茶苦茶が人生を変えることもある。知ったかぶりも本気なら、知るきっかけになるのだ。

この日から、連載全20回、わたしたちの2年間が始まる。

では、さえりさんとカツセさんにこの2年間を振り返ってもらおう。

田中泰延
田中泰延

1969年大阪生まれ
株式会社 電通でコピーライターとして24年間勤務ののち、2016年に退職。ライターとして活動を始める。
世界のクリエイティブニュース「街角のクリエイティブ」で連載する映画評論「田中泰延のエンタメ新党」は150万ページビューを突破。
Twitter:@hironobutnk

世界って、こんなに広かったんだ 

夏生さえり

この2年間の京都学園大学の取材を振り返って

この2年間。振り返ればいろいろなことが蘇ってきます。取材終わりの白子の天ぷら。ぷりぷりのハモ。ナスの田楽。冷たい豆のスープ、そしてシメのラーメンがほとんど食べられずに全部ひろのぶさんに食べてもらったこと……そういえば炊き込みご飯も食べてもらったな……。ああ、本当にたくさんの美味しいものを食べさせていただきました……ってそこから始めたいくらい、この取材の打ち上げご飯は美味しかったのですが……

本題はそこじゃないですね。ええっと、なんだっけ、あ、そうだ。この2年間。振り返れば、本当にたくさんの、おもしろい先生に出会えました。

たとえば「妖怪」を研究している先生。

 

それから「道」を研究している先生。

 

「酵素」を研究している先生……。

 

どの先生も、目をキラキラとさせながらご自身の研究のお話しをしてくれました。専門家が聞いたら「アホなの?」と思ってしまうようなわたしの素朴な疑問でも、笑わず真摯に向き合ってくれて。嬉しかったんです。本当に。

先生の魅力・研究分野の魅力を伝えたい……! その純粋なモチベーションでこのお仕事を2年続けることができたのは、やはり単純に題材として「京都学園大学」というところが面白かったのだと思います。

私の記事が、誰かの興味の一歩になりますように。そう思ってきました。

そして実際に「面白い先生だなと思って、本を買いました」とか「その学問に興味が湧いて、将来その道に進みたいと思いました」という、ライターとして、涙無しでは読めないようなコメントを本当にたくさんいただきました。今思い返しても、幸せなお仕事だったな、という思いでいっぱいです。

普通に生きているだけでは会えないような先生たちに会えて、いろいろなお話しを伺えて。世界ってこんなに広かったんだな、と思える2年間でした。この先も、また京都に行くことがあるはずです。

わたしはきっと、そのたびに思い出すでしょう。あの美味しかった白子…いや、先生たちのことを。

2年間、本当にありがとうございました。

印象に残ったインタビュー

「源氏物語」って結局どんなお話なの?
人文学部教授・山本淳子先生に教えてもらった

最初のインタビューでした。大学で学ぶということについて「そんな風に思わせてくれる勉強だったら、わたしも学びたかった……。」と感じた先生のお話。ここから始まった京都学園大学の2年間でした。

受験生、大学生へのメッセージ

大学って、本当に素敵な場所です。わたしにも遠い昔、大学生だった時期があるのですが……当時はその価値に気付かず、ずいぶん自堕落な生活を送ってしまいました。授業の終わり間際に滑り込んで出席表だけを出して帰ったり、5限目に寝坊したり。卒業して何年も経った今、心底思っているのは「もっと大学を楽しんでおけばよかった」ということです。わたしだけじゃないですよ、同級生も、先輩も「もっといろいろ楽しめばよかった」と、言っているのをよく聞きます。

楽しむ、にはいろいろな意味があります。たとえば、そうですね、“勉強する”というオーソドックスな楽しみ方。高校生までは、やりたくもない授業ばかりを(ほとんど強制的に)やらされて、「こんなのが将来何の役に立つんだ……」と思っていました。でも、大学は違います。もちろんいくらかの縛りはあると思いますが、やりたいぶんたっぷりと、勉強することができる。これって、本当に贅沢なことなんですよ。社会に出てから「あぁ、哲学や日本史を勉強したいなぁ」と思ってもなかなか時間なんて取れないですから。しかも不幸なことに時間がとれないとわかると、どうしても勉強したくなるものなんですね。本当に不思議なものです。特に京都学園大学では、いろいろな学部がありますよね。勉強、し放題。最高じゃないですか。もっと、もっともっと勉強を楽しんでほしいです。

それから、(大学のサイトでこんなことを言うのもあれですが)勉強だけじゃなく、もちろんサボるのも良しです。サボって、その間にしかできない遊びもぜひしてください。学外でも、学内でも、いろいろな人と出会って、散々な恋愛をしてください。それが、大学生の特権、いや義務です。

昔の私がそうであったように、いま大学生であるみなさんに話しても「はいはい」と思われてしまうかもしれませんが……。どうか、どうかどうかもっと大学を楽しんでほしいのです。私から言えることは、それくらいです。

受験生の皆さん。受験は、「自分が頑張ったら頑張ったぶんだけ評価される最後の場所」と聞いたことがあります。残念ながら社会に出れば、たくさんやっても評価されない……ということもありますから。受験は、頑張れば頑張っただけ返ってきます。きっと行くべき場所があなたを待っているはずです。素晴らしい大学ライフのために、どうか最後までがんばってください。

それではみなさま、お別れの時間です。
この2年間、特にお世話になった広報の鈴木さん。そしてひろのぶさん。本当に素敵な機会をありがとうございました。

京都学園大学の卒業生(在学生でも)の皆様に、いつか声をかけてもらえるのを楽しみにしています。それでは、またね〜!

さえり
さえり

書籍・Webでの編集経験を経て、現在フリーライターとして活動中。
人の心の動きを描きだすことと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。
好きなものは、雨とやわらかい言葉とあたたかな紅茶。
Twitter:@N908Sa (さえりさん) と @saeligood (さえりぐ)

価値あるものを届けられるように 

カツセマサヒコ

この2年間の京都学園大学の取材を振り返って

2年前の夏から参加させてもらって、合計17本。全て取材モノで、出張モノで、「教育軸」での取材・執筆。かなりヘヴィでありながら、露骨にスキルが身についていく感覚があり、本当に充実していました! 

6つの取材を1日で行う超過密スケジュールでも無事進行できたのもこのメンバーだったからだと思いますし、それ故、皆さんと作り上げていったサイトだったようにも感じられ、本当に楽しかったです。学園祭前夜のような緊張感と興奮が入り混じる現場で仕事ができたこと、幸せでした。また機会あれば、是非ご一緒させてください。とりあえず、お疲れ様でした!!

印象に残ったインタビュー

すみません、不真面目な方から言うと、昼食の超豪華なカニ取材でしたwww

【京都は最高】大学OBに会いに行ったら、もてなし具合がすごかった

ただ、食事が美味しかっただけでなく、今も京都の街で活躍しているOBの方たちの話を聞けるというのが、まるで京都自体の歴史と一緒に勉強させてもらっているような感覚があり、とても印象的でした。そしてやはり、あのカニうまかったですね……また食べに行きたいですね……経費、おりませんかね……?笑

もうひとつは、平先生の仏教・親鸞のインタビューです。

あの人がマニアックな研究に目覚めた理由 Vol.7
「仏教は、差別や暴力を許容していた?」

この連載企画を通して最も上手く書けたと感じたのが、平先生の記事でした。反響もいつもより多く寄せられて、評価が良かったと感じられたのがうれしかったです。あのとき先生が仰っていた「簡単に手に入るものなんて大した価値がない」という言葉をよく思い出します。これから、もっと価値あるものを届けられるようになりたいと思いました。

受験生、大学生へのメッセージ

学部が決められなかったり、社会に出ることに恐怖感を抱いたりすることがあるかもしれません。事実、これまで「大きくなったら何になりたいの?」と夢物語のようにボンヤリ聞かれていたことが、突然目の前に、グロテスクなくらい鮮明になって現れるわけですから、それは怖いよなと思います。

じゃあ、限られた時間でどうやって「自分は何になりたいのか? 何をしたいのか?」を考えるのか。答えは、海外に井戸を掘りに行っても見つかるものではなく、これまで生きてきた自分の中にしかないはず。

遊んで過ごした学生生活でも、勉強に打ち込んだ学生生活でも、何かの糧となって皆さんを形成しています。やりたいことは何なのか、やりたくないことは何なのか、自分としっかり向き合う期間としての学生生活を過ごしてほしいなと思います。応援しています。がんばって!

カツセマサヒコ
カツセマサヒコ

フリーライター。1986年東京生まれ。編集プロダクション・プレスラボでのライター経験を経て、2017年4月に独立。
広告記事、取材記事、エッセイ、物語等の企画・取材・執筆を行う。
Twitterでの恋愛・妄想ツイートが10~20代前半の女性の間で話題を呼び、フォロワーは現在12万人を超える。
趣味はTwitterとスマホの充電。

さいごのさいごに 〜学びは終わらない〜 

田中泰延

この2年間の京都学園大学の取材を振り返って

思えば2016年、みなさんのお力をお借りしたいと、私が東京に赴いてからあっというまの2年でした。

「ページビュー数とか、 “ バズる ” とか関係ない。ここで “ 文化遺産 ”をつくろう」それが私たちの合言葉でした。

「.ac.jp」というお堅い大学ドメインでは見たことのない、でもわかりやすい記事を。大学で学ぶって、こんなに面白いんだ、大学の先生って、こんなに素敵なんだ。大学生活って、こんなに充実しているんだ。

それを伝えたくて、毎月毎月、走り続けた気がします。

印象に残ったインタビュー

個人的には、学生さんのお話を伺うこのシリーズは、未来へ向かう真摯な若い人の姿を垣間見れ、50歳になろうとしている自分にとって、目標に向かって努力する心を思い出させてくれたインタビューになりました。

京都学園大学の学生さんに聞いてみた
「ロッカールームに、夢が集まっているんです。」

また、このお仕事のひとつの到達点として、一番暑い真夏に、3人で皆さんの前で話すイベントができたことがとても幸せな思い出です。

京都学園大学で言ってみた
愉快な大人のシゴト論

楽しい思い出ばかりです。感謝しかありません。

受験生、大学生へのメッセージ

おりしも2019年、京都学園大学は「京都先端科学大学」へと名前を変え、大きな節目を迎えます。

ただ、学ぶことの大切さと楽しさは、人間にとって変わることはなく、そして終わることはありません。

大学名が変わっても、ここで私たちが試みた、人が学びへ向かう心が、永久に続きますように。

最後に、この連載に関わったすべてのみなさんのお名前をここに記して、感謝とともにエンドロールとさせてください。ほんとうに、ありがとうございました。

8th June 2016 – 22th June 2018

Credits and Special Thanks

in order of appearance

夏生さえりUNIT

教職員

山本淳子先生
矢野善久先生
服部陽介先生
篠田吉史先生
佐々木高弘先生
袖川芳之先生
高瀬尚文先生
原雄一先生
中条潮先生
吉村貴子先生
藤井孝夫先生
櫻間晴子先生
鍛治宏介先生
山愛美先生
田中秀樹先生
吉中康子先生
橋本尚子先生
柳田泰義先生
乳原孝先生
安達房子先生

学部生

左近文秀さん
田中朱音さん
岩本鈴音さん
白井友梨子さん
成尾京香さん
谷口碧さん

カツセマサヒコUNIT

教職員

小野里光広先生
古木圭子先生
阿部千寿子先生
小田憲夫先生 
眞里谷隆司先生
平川和文先生
満石寿先生
青木好子先生
ラファエル・プリエト先生
松原守先生
河田尚之先生
付馨先生
藤田裕之先生
丹羽英之先生
平雅行先生
大島博行先生

学部生

田之村有輝さん
進藤晃一さん
石川のぞみさん
西原麻衣さん
アイサタ・デイアキテさん
野々口真さん
酒井健佑さん
塩見拓巳さん
小松原周さん
佐藤弥生さん
岡部拓実さん
二神久美さん
村中亮太さん

卒業生

山本惠輔さん
大西優子さん
北村保尚さん
高島義之さん

ことカフェ

ベン先生
牧野先生

田中泰延UNIT

教職員

若野剛也さん

学部生

長野千紘さん
大岩竜也さん
上田真基さん
田中駿平さん
澤友紀さん
原田みのりさん
土田知春さん
畑中沙緒理さん
猪口知夏さん
上田果林さん
津知田晃大さん
山口純奈さん
呂宛宣さん

Special Thanks

2017.8.27 公開イベントにお越しくださった皆様
ぎをん丸梅 りえさん

Creative Director/Writer/Photographer

田中泰延

Interviewer/Writer

夏生さえり
カツセマサヒコ

Special Contents

かっぴー
樽見祐佳

Photographer

桂秀也
佐藤佑樹
大島拓也

Account Executive, DENTSU INC.

中川知俊
緒方晋士

Executive Producer

鈴木創介

And now… in anticipation of your insight into the future.

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入試に関するお問い合わせ

入学センター

Mail nyushi@kyotogakuen.ac.jp

Tel (0771)29-2222

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