【究極コラム】田中泰延のエンタメ分党 お酒が飲みたくなるブックガイド

【究極コラム】田中泰延のエンタメ分党

お酒が飲みたくなるブックガイド

みなさんこんにちは。田中泰延といいます。ひろのぶと読んでください。46歳です。サラリーマンをしつつ、田中泰延のエンタメ新党という映画のコラムを書いたりしています。

さて、大学進学を目指すみなさんはまだお酒が飲めません。2浪以上している受験生はそうではないかもしれませんが、酒を飲んでる場合じゃないだろう。そしていま大学生のみなさんも、二十歳になるまではお酒は飲めません。でも、もし、お酒が飲める体質であれば、将来、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

僕はいま46歳ですが、26年間、お酒は一日も欠かしたことはありません。休肝日という言葉がありますが、僕の場合は、永久に休むことになった日が休肝日だといえます。その場合もぜひ仏壇にも墓にもお酒を供えていただきたいものです。

今回は、そんなお酒を、なんと大学の中で造っているという篠田先生にお話を伺いつつ、先生おすすめの「お酒についてもっと興味を持てる、すこし詳しくなれる入門書」のブックガイドをお送りしたいと思います。

今日やってきたのは京都学園大学・京都亀岡キャンパス。いっしょに取材してくださるのは、さえりさん、カツセマサヒコさん、そして樽見さん。

大学内で手分けして、いろんなお話を聞く3人…のはずでしたが向かって右のたるちゃんこと樽見さんは、このあとすぐ連れ出される運命であることをまだ知りません。さえりさんが篠田先生のインタビューに向かい、カツセさんが在学生のみなさんとの座談会へ向かったその隙に樽見さんは田中に写真を撮られながらトロッコ列車に乗り、神社に参拝することになったのです。

しかし過酷な運命にも負けずしっかり調べた樽見さんの記事はこちらです。

それはさておき、いま世界的に問題になっているのはさえりさんの首の角度問題です。検証してみましょう。

  • (おまけ カツセ)

どうですかみなさん。この見事なさえりさんの首の角度。隣の人に向かって、おそろしいほどに正確に傾いています。

これは、きっと僕に対してもこのように傾いた写真があるに違いない、家宝にしよう、と思って探しましたが、さえりさんと僕のツーショットは1枚もありませんでした。これはどういうことでしょうか。

そもそもさえりさんと僕は、この対談がきっかけで出会い、

そしてこうやってお仕事を依頼し、京都まで来てもらう深い仲になったはずです。しかしさえりさんは僕との写真を避けているとしか思えません。これはどう考えればいいのでしょう。いや、もう何も考えたくありません。今回のコラムがなぜ【究極コラム】かというと、何も考えたくないほど究極まで悲しいからです。

しかたがありません。篠田先生から与えられた本を読みましょう。ヤケ酒というものがありますがヤケ読書というものもこの世にはあるのです。ええ、作ればなんでもあるのです。

さて。京都学園大学で発酵について研究され、実際にビールを醸造されている篠田先生、お話はさえりさんとの対談記事を読んでいただくとして、取材でも飲む飲む。

そりゃそうですよね。造るんですから、味見したり、飲むのも仕事ですよね。そこへこの取材とは関係ないカツセマサヒコさんもやってきて

飲む

さえりさんも飲む。

そんな素晴らしい研究をされている篠田先生から僕に推奨された書籍、一冊目は…

もやしもん(8)
石川雅之(講談社)出典:Amazon

おお、漫画です!しかもなぜここだけ?の8巻目からですが、開けばわかる、この巻は一冊丸ごと「ビール」の話なのです。ビールの種類の話から始まり、ベルギービールやドイツのビール、日本の大手メーカーのビール、そしていま話題の日本の地ビールの話まで、ウンチクがするするっと飲み込めてしまいます。あまりのわかりやすさとおもしろさに、僕が46年言い続けてきた「ウンチクとウンチクンは似ているけど違うんだ」 という定番ネタも言うヒマがありません。漫画の中で地ビールメーカーに呼びかけるという、現実とクロスする展開、オクトーバーフェストの感動的な盛り上がり。「ビールとは?」という問いに誠実に答える力作です。京都学園大学の図書館では推薦図書に指定されているのも納得です。ちょっと泣くよ、オクトーバーフェストの見開きとか。ああ、ビール飲みたい。

篠田先生

先生、先生、篠田先生。これも大学の勉強の一環ですか。

篠田先生

先生、先生、篠田先生。最高です。
僕は篠田先生が好きです。お酒の力で、さえりさんが僕と写真を撮ってくれない悲しさを忘れられそうです。

そしてさらに先生が奨めてくださった本は、飲まずにはいられない、シラフでは読めない素晴らしいものばかりでした。

それでは、お酒が飲みたくなるブックガイド、始めまし ょう。

ビールの科学 麦とホップが生み出すおいしさの秘密
渡淳二(監修)サッポロビール価値創造フロンティア研究所(編集)(講談社)出 典:Amazon

ビールの話、続きます。ビールの歴史や科学が幅広い視点で書かれています。大手メーカーが、人工脂質膜を用いて「コク・キレセンサー」を開発していたり、「喉ごしセンサー」を被験者に装着して科学的にビールのおいしさを数値化している事実には驚きました。上手な注ぎ方や、まさかの飲む時の「姿勢の掟」にも爆笑。「喉から胃袋のラインが垂直になるように心がけてください」って写真があったり、真面目なのかなんなのか、面白すぎます。もうビール開けますね。プシュ。

ワインの科学 「私のワイン」のさがし方
清水健一(講談社) 出典:Amazon

「ワインは長く貯蔵すると味が良くなる?」…ならないそうです。 ワインの栓を開けたら飲みきらないと酸っぱくなる?」…2週間ぐらいはぜんぜん大丈夫 、だそうです。「赤ワインは室温でのむべき?」…余計なお世話だそうです。 爆笑です。まず、ワインについて間違った知識が山ほどあることを教えてくれ、それからブドウについて、ワインの歴史や地理について、わかりやすい解説が続きます。後半はうってかわって化学式なども登場する本格的な「科学」になりますが、「発酵」というメカニズムを、僕もはじめて勉強できました。とりあえずコンビニでワイン買ってきて飲みます。

日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技
和田美代子(著) 高橋俊成 (監修)(講談社)出典:Amazon

『コノサカヅキヲ受ケテクレ ドウゾナミナミツガシテオクレ ハナニアラシノタトヘモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ』井伏鱒二が唐詩の「勧酒」を翻訳した名高い詩ですが、漢詩なのに日本人が翻訳するとこの酒はなぜか「日本酒」なんじゃないかと思えてきますね。この本はそんな、日本の米からできた日本酒の原材料、麹と酵母、種類、飲み方をひらたく解説しながら、酒造りを支える杜氏たちの歴史と伝統、彼らの経験上の知恵がいかに科学的であったかを教えてくれます。また、「お酒が飲める体質かどうか」の詳しい調べ方もナイス。お酒が飲める人は、苦手な人に決して飲むことを強要してはならないし、お互いの理解が必要なことに気づかせてくれます。ちなみに僕は塩の利いたおにぎりをツマミに日本酒を飲むのが大好きです。米と米は相性いいのです。デブまっしぐらな飲み方ですのでお勧めしません。。とりあえずおにぎりと純米吟醸、ください。

ウイスキーの科学 知るほどに飲みたくなる「熟成」の神秘
古賀邦正(講談社)出典:Amazon

はい。僕の一番好きなお酒、ウイスキーの話ですよ。ウイスキーがどれぐらい不思議なお酒かというと、いまハッキリ解っている部分、科学的に説明できる部分は、1%しかないんですよ。麦を発酵させ、蒸留して、そして「樽に詰める」。そこで長い年月をかけて琥珀色に変化していくんですが、樽の中でなにが起こっているのかはもう、人間にはさっぱりわからない。(いまのところ)僕、スコットランドで造られるシングルモルトが好きで好きで、スコットランドを一周して蒸留所を巡る旅もしたことあるぐらいです。そろそろだいぶ酔っぱらってきました。マッカラン18年、ストレートでお願いします。

ワインづくりの思想
麻井宇介(中公新書) 出典:Amazon

いやぁ、またワインに戻っちゃうんですけど、これはすごい本ですね。Kindle版でしか今は読めないんですけど。著者は、世界各地のワイン産地を訪れてまして、理屈じゃない、歩いて、味わって、学んで、そしてワイン作りに実際に長く関わってこの本を書かれてます。なので、理屈じゃないんですよね。著者のブログ「麻井宇介のワイン余話」もぜひお読みください。ワインから見た社会史であり、小さい視点ではなく、グローバルに思想としてのワインを語っています。すごい指摘としては、本場フランスでなくても、ぶどうさえ優れたものを作れれば、日本を含む他のワイン産地でも優れたワインを作ることは可能である、という点ですね。日本のワイン作りの未来を見た思いです。

愛と情熱の日本酒 魂をゆさぶる造り酒屋たち
山同敦子(ちくま文庫)出典:Amazon

日本酒は「人」が造る、ということ。各地の酒蔵の「人」の話です。読み物として最高ですね。文章がいい。日本酒造りも、世の中に無数にある、そしてかけがえのない「仕事」のひとつなわけですが、人間の熱い思いと試行錯誤、仕事とはどうあるべきか、を教えてくれます。これを読んで、巻末の「シーンと料理で選ぶ114本」からお店でお酒を選ぶ行為は、僕にとって人と向き合う行為になりました。

篠田先生

篠田先生いわく『受験生、高校生に酒の本ばかりでなんですが、むしろ「ものづくりに携わる人々の話」として読んで頂ければと思います。結局は、発酵は菌の力を借りながら「人が」造るものだ、ということです。』いやはや、人間が仕事をすることは尊い。お酒を造る人、この本を書いた人、その本を薦めてくれた先生、それをまた紹介する僕、それから発酵がんばる微生物、みな尊い。ええ、だいぶ酔っぱらってます。

ぷしゅ よなよなエールがお世話になります
井手直行(東洋経済新報社)出典:Amazon

最後に紹介する本です。これはねえ、ビールでベンチャーを立ち上げた男の成功物語なんですよ。「よなよなエール」「インドの青鬼」「水曜日のネコ」「僕ビール、君ビール。」あ、おれ飲んだことあるわ。名前も味わいも、いっぷう変わった製品で勝負をかける。高校卒業後、就職した会社を辞め、パチンコばっかりしていた著者が、やる気を出し、出会いを掴み、楽天の三木谷社長に成功を誓う、もう面白すぎまっせ、この本。 痛快です。著者の人間が徐々に大きくなっていく、周りの人が本気になって行く、しかし邪心がないんですよ!「個性豊かなビール文化を日本に根付かせたい」その思いが、社員たちと、お客様の意識を変えていく。なにしろ売ってるもんといえば、人をプシュッと幸せにするビールですもん。うさんくさいビジネス本とはちがう、さわやかな一冊です。梵天丸もかくありたい。

ということでみなさん、いかがでしたか?いやあ、勉強って楽しいなぁ、って今回も思いました。そら思うわ。

発酵や醸造、お酒を勉強することは、単に化学的な研究にとどまらず、、人類 の歴史や文化、そして造り手の情熱やドラマを学 ぶ、総合的な学問の世界でした。そして、こんなお酒の話にまみれた取材の後 で飲まない手はあるでしょうか。

さえりさん、飲みます。

たるみさん、飲みます。

カツセさん、飲みます。

お酒は、人類が発明した、人を幸せにしてくれる、まるで魔法のような科学でした。(未成年のみなさん、体質的に受け付けないかた、ホント酔っぱらいですみません。どうか寛容な気持ちで見てやってください。)

最後に、お酒の魔力で幸福の彼岸まで達してしまったさえりさんの写真で今回はおわかれしましょう。
さえりさん、水飲めよ。

次回もまた、京都学園大学の先生方のお話を伺いつつ、いろんな本を教えてもらいたいと思います。あ、ウイスキーおかわりください。ロックで。

田中泰延
田中泰延

1969年大阪生まれ コピーライター/CMプランナー ひろのぶ党党首。
世界のクリエイティブニュース「街角のクリエイティブ」「田中泰延のエンタメ新党」を連載中。
Twitter:@hironobutnk


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