【暗黒コラム】田中泰延のエンタメ分党 世の中をちょっと幸せにするためのブックガイド

【暗黒コラム】田中泰延のエンタメ分党

世の中をちょっと幸せにするためのブックガイド

みなさんこんにちは。田中泰延といいます。ひろのぶと読んでください。47歳です。サラリーマンをしつつ、田中泰延のエンタメ新党という映画のコラムを書いたりしてるんですが、最近、本のあとがきを頼まれたんです。

若者よ、アジアのウミガメとなれ
加藤順彦(ゴマブックス)出典:Amazon

帯の推薦人がホリエモンですよ、ホリエモン。


その下に自分の写真があったりして。この本の「あとがき」を千字くらいで、と依頼されて書いたんですけど、なにを思ったか僕6,900字も書いてしまいまして。著者に叱られまして。

「こんな長いあとがきは聞いたことがない」

「すみません」

「ほとんど小説ではないか」

「ほんとに長くてすみません」

「あとがきには長すぎるから、巻頭に置こう」

「えっ」

 

ということで、なぜか著者による本文より前に解説がある変な本です。ぜひ読んでみてください。

あと、僕の名前のロゴというのを友人が勝手に作りまして。

「ヒロノブ」って読めます?無名のサラリーマンのロゴマークとか、わけわからないですよね。ステッカーとか売ろうかな。買う人おらんやろ。

さて、大学進学を目指すみなさん、そして大学生の皆さん。「マーケティング」という言葉はご存知ですか。僕は広告会社に勤務しているんですが、クリエーティブ部門のコピーライターなので、はっきり言ってマーケティングには疎いんです。

マーケティングは広告の手法のみならず、社会全体にとって重要なものとされているわけですが、そのマーケティングの視点から、社会を幸せにする方法を学問として扱っているのが、今回お話を伺った袖川芳之先生。なんと、私の勤めている会社の大先輩でもあります。きょうは袖川先生に挙げてもらった課題図書を読んでいきたいと思います。

さて、やってきました、京都学園大学・京都亀岡キャンパス

今回もライターのさえりさん、カツセマサヒコさんが取材してくれます。そのまえに腹ごしらえ。

ナポリタン

なんか巨大なパスタがきましたね。学食ならではの「量で勝負」というやつですね。

ナポリタン(やや近)

うおお。麺が600グラムはありますね。

ナポリタン(超拡大)

うおおおおお。誰が食うんだこんな学生っぽいメニュー。

さえりさんかよ

まさかのさえりさんかよ!!

さえり

これは、田中さんに持たされて写真撮られただけですよね。
食べたのは田中さんですよね。

田中ひろのぶ

はい。すみませんでした。わたしが食べました。

そんな激しい炭水化物のなか、カツセさんは警察官や消防士になるための公務員試験対策をされている阿部先生のもとへ取材に。

国際交流センターの阿部先生

さえりさんは袖川先生のお話を聞きにいっちゃいました。

袖川先生のお話

今日もさえりさんの首の角度は安定して傾いています。

一説にはさえりさんが誰かと写真に撮られるときの首の角度は、その人への好意度が表れているそうです。

京都学園大学の先生方とのツーショットで検証してみましょう。

  • 山本先生
  • 矢野先生
  • 服部先生
  • 篠田先生
  • 佐々木先生
  • 袖川先生

計測の結果、地表の水平面に対して(地球の丸みによる誤差は考慮しないものとする)おおよそ28度から最大で52度の頭蓋の傾きが認められます。90度で頭突き、180度で逆立ちと呼ばれる象限に属しますのでかなりの好意度が表現されているといっても過言ではないでしょう。

一緒に取材するカツセマサヒコさんに対してはどうでしょうか?

さえりさんかつせさん

やはり好意度が認められます。例外はないようですね。非常に安定しています。わたくし田中泰延に対する好意度もこれで安心して測定できます。

さえりさんひろのぶさん

 

…おい。

0度やないかい。傾いてないやないかい。頭頂部が地面に対して垂直やないかい。好意度ゼロやないかい。

今回のコラムがなぜ【暗黒コラム】かというと、私の心情を察してください。
ブラックな企業という言葉はありますが、ブラックな心情というものもあるのです。

さえりさんによるインタビューは、非常に興味深かったのですが、それは記事を読んでいただくとして、僕には例によって袖川先生から課題図書を読むという仕事が課せられました。

最初の一冊はこちらです。

「エンタメ」の夜明け
ディズニーランドが日本に来た! 馬場康夫(講談社)出典:Amazon

ディズニーランドの日本への誘致を巡る経緯を綿密な取材と構成で綴った本です。その実現に動いた小谷正一、堀貞一郎の二人の男を軸に、電通の吉田秀雄、オリエンタルランドの高橋政知、そしてそしてウォルト・ディズニー…。著者は、ホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫。『私をスキーに連れてって』『彼女が水着にきがえたら』『波の数だけ抱きしめて』『メッセンジャー』『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』…好きすぎて監督作品を思わず全部並べてしまいましたが、映画監督としても、著述家としても素晴らしいですね。抑えた筆致だからこそ、熱い涙が…。「楽しいことを作る」そのエネルギーとは?行動力とは?めちゃくちゃ面白い本ですほんと。

先生、先生、袖川先生。僕、この本持ってました。これが、世の中を幸せにするってことなんですね。

袖川先生

「そうです。そしてこの本に出てくる小谷正一さんと堀貞一郎さんも、僕がかつて所属していて、田中さんが今いる会社に深く関わった方です。わたしたちは仕事を通して、世の中をちょっとでもよくするために働くんですね」

先生、先生、袖川先生。

袖川先生

ありがとうございます。ていうか先生、会社の元先輩なんで書きにくくてしょうがないッス。はい。僕、平成5年入社です。すんません。

そしてさらに先生がご紹介くださった本は、「マーケティング」「デザイン」「考え方」「どう働きかけるか」、つまり世の中を幸せにする方法を述べる、そんな興味深いものばかりでした。

それでは、世の中をちょっと幸せにするためのブックガイド、始めましょう。

デザインのデザイン
原研哉 (岩波書店) 出典:Amazon

「デザイン」ときいたら何を思い浮かべますか?おそらくかたちの造形や色彩とか、いわゆるフォルム、見栄えを作る技術と考える人が多いんじゃないでしょうか。でも著者はいいます。“デザインは技能ではなく物事の本質をつかむ感性と洞察力である。”この本では、最初に150年前のイギリス産業革命からの基本的なデザイン史をひと通りおさらいした後、長野五輪や愛知万博、そして「無印良品」など、自分がデザインに関わった仕事を紹介しながら、ちょっとした工夫で日常を変える試み、その考え方の大元のところを教えてくれます。

袖川先生

「デザインが社会を変える予感が得られます。写真も豊富で、頭が刺激されます」

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ダニエル・ピンク(著) 大前研一(訳) (三笠書房) 出典:Amazon

本書の説明には「21世紀にまともな給料をもらって、良い生活をしようと思った時に何をしなければならないか。この『100万ドルの価値がある質問』に真っ正面から答えを示した、アメリカの大ベストセラー。」とあります。めっちゃ焦りますねこんなこと言われたら。まともな給料、欲しいですよね。この本では、これから求められる6つの感性(センス)について語られています。①「機能」だけでなく「デザイン」②「議論」よりは「物語」③「個別」よりも「全体の調和」④「論理」ではなく「共感」⑤「まじめ」だけでなく「遊び心」⑥「モノ」よりも「生きがい」…10年前に出た本だけど、今読んでもまったく古くなく、予言に満ちていましたし、参考になります。今後、良い生活をするには…●よその国、特に途上国にできることは避ける。●コンピューターやロボットにできることは避ける。●反復性のあることは避ける。イノベーションとか、クリエーティブ、プロデュース、といった能力が大事なんですね。

袖川先生

「これからはアイデアがお金になる時代。AI(人工知能)が職を奪う時代に、どう生き残るか。ポジティブな考え方になれます」

売れるもマーケ 当たるもマーケ
マーケティング22の法則
アル・ライズ(著) ジャック・トラウト(著) 新井喜美夫(訳) (東急エージェンシー出版部) 出典:Amazon

すごく取っ付きやすい本です。どこから読んでもいいし、たまたま開いたページごとに気づきがあります。数値的なマーケティングの理論ではなく、アメリカの企業の「なるほど」と思わせてくれるエピソードが満載で、そこから法則が導かれていきます。たとえば、●「一番手の法則」…同じ商品でも、最初に覚えてもらった会社は勝ちなんですね。2番手は何をするのも大変。●「知覚の法則」…どうであるかよりも、どう思われているか、がだいじ。●「集中の法則」たったひとつの言葉を顧客に覚えてもらうことがだいじ。●「正直の法則」適度な自虐は信用される。自分を褒めすぎてはいけない。…などなど。私のような広告業界にいる人間は、徹底的に覚えることばかりですが、これ、実生活にもとても役立つと思うんですね。

袖川先生

「一話読み切りで22のマーケティングの法則について数ページずつ解説している。マーケティングの本としては最も読みやすく、事例が豊富なので楽しく読めます」

唯脳論
養老孟司(筑摩書房) 出典:Amazon

有名な本ですね。僕、若い頃読んだんですが、その時はさっぱりわかりませんでした。その後、30年近くを経て、解剖学の専門家である著者が、中高生にもわかるように書いた『解剖学教室へようこそ』、記録的なベストセラーになった『バカの壁』などを読んであらためてこの本を読むと、いろいろな観点がすっと頭に、いや「脳」に入ってきます。「心を含めた世界は脳が外化したもの」「社会とはすなわち脳の産物」 「われわれはいまでは脳の中に住んでいる」…映画「マトリックス」を観てからこの本に書かれたことを読むと、これまたビジュアル的に理解が進む気もする21世紀なのですが、なかでも今読み返してハッとしたのは、言語の発生についてです。言語には視覚的言語(光)と聴覚的言語(音)の二種類があり、それを脳内でつなごうとした結果、言葉が生まれたのではないかと。脳の中の異質なものの二項対立が、いろんな理解や創造につながるという話はなるほどな〜と思いました。とはいえ、はっきりいって、一回読んだだけでは難しいです。もう一度読み返してみようと思います。

袖川先生

「ベストセラー『バカの壁』の原型となっている本。物質からできている脳のどこにみずみずしい感情や心が宿っているのか。いわゆる心脳問題の原点となっている名著です」

ということでみなさん、いかがでしたか?いやあ、勉強って楽しいなぁ、って今回も思いました。

マーケティングという観点から、社会を幸福にする方法を研究する袖川先生。先生はおっしゃいます。「幸福の反対は不幸ではなく、『退屈(時間の持て余し)』『無気力(目標喪失)』『無力感(影響力の喪失感)』である」と。マーケティングは、世の中をちょっと面白くする、生き甲斐ある社会を提供するための学問であり、またそれを考える事自体が面白い、そんな学問だと思いました。

次回もまた、京都学園大学の先生方のお話を伺いつつ、いろんな本を教えてもらいたいと思います。

と、思ったけど袖川先生が帰してくれません。

研究室で「太陽の塔コレクション」を順番に説明され、…あの、いや、僕ら打ち上げのお店予約してるんで、その…



さえりさんをつかまえてルービックキューブを始めはって…もう僕らお腹空いたんです先生。すみません、僕、平成5年入社ですけど許してください帰してください。

袖川先生キュービック2

さえりさんは白子の天ぷらを楽しみにしてるんです帰してください。

白子

よかった。間に合いました。さえりさん、おいしそうです。

さえりさん1
さえりさん2
さえりさん3

ああ、よかった。さえりさんが僕に対して首の角度が0度でも、さえりさんが美味しそうにご飯を食べれば僕はいいのです。

あ、前回の予告で「次回はカツセさんのインタビューもします」と書きましたが、したくないのでしませんでした。

カツセマサヒコ

でも次回は本当に掲載します。カツセマサヒコ好きの方は待っててください。ちなみに僕はカツセのことが好きではありません。モテそうだからです。

では、次回も京都学園大学からお届けします。みなさんまたお会いしましょう。

田中泰延
田中泰延

1969年大阪生まれ コピーライター/CMプランナー ひろのぶ党党首。
世界のクリエイティブニュース「街角のクリエイティブ」「田中泰延のエンタメ新党」を連載中。
Twitter:@hironobutnk


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