「子どものころの夢を叶えた瞬間に、立ち会う」警察・消防士を目指す学生たちを見守る大学教師が熱血すぎて最高だった

「子どものころの夢を叶えた瞬間に、立ち会う」警察・消防士を目指す学生たちを見守る大学教師が熱血すぎて最高だった

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ライターのカツセマサヒコです。

ひとつ言わせてください。
子どものころの夢を、大人になって実現させている人って、カッコよくないですか?

僕は確か「テレビのディレクター」から始まって、「ラジオパーソナリティ」やら「学校の先生」など、いろいろな夢の変遷を経て現在は「ライター」という職業に落ち着いているのですが、ライターが悪い仕事だとは決して思わないものの、小学生のころの自分が今の姿を見たらどう思うかな……と思うときがたまにあります。

大切にしてあげたい、子どものころの夢。
それを学生たちがきちんと実現させられるように、大学で超・熱血指導を行っている先生がいると聞いて、今回も京都学園大学さんにやってきました。

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お話を伺うのは、京都学園大学経済経営学部准教授の阿部先生(右)と、先生の熱血指導を受けている警察・消防士志望の学生さんたちです。

阿部千寿子准教授

宮城県出身。法学修士。同志社大学大学院法学研究科博士課程(後期課程)公法学専攻中退。専門分野は、刑事訴訟法。研究実績として、「犯罪被害者が刑事手続に参加する制度」、「刑事手続における被害者参加人の法的地位、権限の範囲」等がある。現役の警察官や消防官との交流も積極的にすすめている。

カツセマサヒコ

先生、今日はよろしくお願いします。

阿部先生

はい、よろしくお願いします!

「憧れを叶えるために入学した」

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カツセマサヒコ

先生は普段、どのようなことを教えているんですか?

阿部先生

刑事訴訟法と刑事政策の講義を担当しながら、警察消防関係の数的処理を教える警察消防特別研究というキャリア科目の指導をしてます。

カツセマサヒコ

(さっぱりわからない……)

阿部先生

かんたんに言うと、警察関連の法律や政策の講義と、警察官や消防士になるための公務員試験対策をやっている、ということですね。

カツセマサヒコ

なるほどなるほど! 勝手なイメージなんですけど、「公務員」って聞くと、安定思考の人たちが進む道だと思ってるんです。クビにならないとか、そういうイメージがあるんですけど……。

阿部先生

警察や消防を目指す子たちはそんなことないと思いますよ? どう??

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経済経営学部 経済学科2回生の野々口 真くん

野々口くん

僕は昔から消防士に憧れていました。ある日、大雨が降って災害になったとき、「ヤバいなあ」と思ってたら、テキパキ動いてる消防士さんがいて、「ああ、かっこいいな、こんなことできたらいいなあ」って思ったんですよね。

カツセマサヒコ

実際にそういう現場を見たんですね。インパクトありそう。

野々口くん

そのあとは、テレビで小池徹平が主演の「ボーダーライン」ってドラマがやっていて、それも影響していたんだと思います。

カツセマサヒコ

じゃあ大学進学のときも、消防士の資格が取れる大学を目指していたんだ?

野々口くん

そうですね、調べていたら無料で消防や警察へのプログラムを受けられることがわかったから、京都学園大学を受けようと思ったんです。

阿部先生

無料だからね、無料。無料ですよ?

カツセマサヒコ

めちゃくちゃ無料を押しますね?

塩見くん

ちなみに僕のときは有料でした。

阿部先生

まあ、時代が悪かったよな。

カツセマサヒコ

(すごくばっさり言い切った)

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経済経営学部 経済学科2回生の酒井健佑くん

酒井くん

僕は中学のときは学校の先生に憧れてて、そこを目指してたんですけど、高校1、2年くらいかな? 野々口と一緒で、「ボーダーライン」を見たんです。

カツセマサヒコ

ボーダーラインの影響力半端じゃないな。

酒井くん

そこで初めて、消防士ってかっこいいなと思って。そんな軽いノリでスタートして、消防を目指し始めましたね。消防、公務員全般なんですけど、人を助けるというか、そういうことしたいなって思えたんです。

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法学部 法学科4回生の塩見拓巳くん

カツセマサヒコ

塩見くんは、すでに警察官に内定が出ているんですよね。きっかけは何だったんですか?

塩見くん

高校のときに家族が大きな事故にあって、そこから、白バイ隊員になって事故を減らしたいと思うようになりました。ずっとバイクが好きなのもありましたし。

カツセマサヒコ

じゃあ、白バイ隊員が目標なんだ。

阿部先生

白バイ隊員は、本当にハードルが高いんですけどね。警察官の人事は、基本的には一般企業の人事と一緒なんですよ。会社に入って、営業に行くか、企画に行くか、総務に行くか、っていうのと変わらないんです。ある程度は試験もありますが、基本は適性を見られながら判断されるし、白バイは交通の中でもごく一部の人しかなれないので、狭き門なんですよ。

カツセマサヒコ

三人とも、「安定」の一文字も出てこないですね。

阿部先生

まあ、それくらいの覚悟ないと、続けられないですよね、公務員試験は長期戦になりますし。モチベーションがないとやっていけないですよ。

「先生がいなきゃ、夢は叶っていなかった」

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カツセマサヒコ

先生の授業を受けている学生には、消防・警察とは別に国家公務員を目指す人もいるんですよね? どっちが多いんですか?

阿部先生

消防・警察が多いですね。実績があるせいか、高校の先生が進路先の一つとして、京都学園大学を生徒に紹介してくれるケースが多いんです。

カツセマサヒコ

実績と言うと、どのくらい合格者がいるのでしょう?

阿部先生

今年の春は12~3名合格しています。私が来たときは年間3名くらいだったから、それなりに合格者数は増えてきているんです。ここ6~7年で、警察・消防に強い大学と認知されるようになった気がします。

塩見くん

僕も、高校の先生から阿部先生を紹介してもらったので、受かったときはすぐに高校の先生に電話して、「薦めてくれてありがとうございました」って言いました。

カツセマサヒコ

いい話すぎますね……。

阿部先生

わたしは合格連絡の電話、出られなかったよね、そのとき(笑)

塩見くん

そうそう(笑)。

阿部先生

でも、やっぱり教え子が夢を叶えるとものすごくうれしいですよ。連絡が来ると場所関係なく「ヨシ!」とか言っちゃいますから(笑)。

カツセマサヒコ

そうですよね。皆さん、10代になるか・ならないかのころからの夢を叶えてるんですもんね。

塩見くん

そうですね、本当にそうです。

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カツセマサヒコ

塩見さんは、阿部先生ありきで勉強されていたんですか?

塩見くん

そうですね、先生ナシでは、合格できていなかったかもしれないです。勉強会以外のとこでボランティアに呼んでもらえることも多いんですよ。亀岡市で大きな事故があったときも、「犯罪被害者の方のイベントに一緒に行こう」って行ってくれて。そのイベントに出席したら、警察官を目指す気持ちが一層強くなりました。

阿部先生

私の専門がもともと「犯罪被害者」なので、犯罪被害者へのボランティアとかは積極的に情報提供していたんです。「一緒に行こう」と有志を募ると、彼は交通が志望だったから、関心持ってくれて、よく来てくれました。

塩見くん

それで、イベントのときに名刺をくださった警察の方が、面接官だったんですよ(笑)。

カツセマサヒコ

そんな偶然あるんですか!!

塩見くん

行っててよかったなあって、しみじみ思いました。先生いなきゃ、だめでした。

酒井くん

メモっておきます、それ。

阿部先生

メモっとけメモっとけ(笑)

近すぎるくらい近い、情熱的な師弟関係

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カツセマサヒコ

熱い師弟関係のようなものが、大学になってできるって、なんだかいいですよね。

阿部先生

うちの大学は成績表の配布とかも、先生が面談しながら一人ずつ渡しますし、教員と学生の距離感がすごく近いんですよね。私もひとり20分ずつくらい、成績表を見ながら面談しますから。

カツセマサヒコ

大学とは思えないです。

阿部先生

めちゃくちゃ詰めますよ。「これ、なんで落としたの? 言ってみ??」って。落とすとめちゃくちゃ長いんですよ、私の話。「なんで出席してないの? 起きれなかった? そうね、起きれないよね。でもこれ、4限ですよね。起きれるやろ」とかね(笑)。

カツセマサヒコ

怖すぎる(笑)。

阿部先生

私も大きな大学出身なので、ここに来たときは「なんて手厚い指導なんだ」と驚きました。中に入ってみると、自然と公務員志望の子たちとはしょっちゅう会うし、ゼミに来た子の面談は、とくにみっちりやるようになりましたね。ゼミの教員だと、学生の出席状況が全授業ぶん見られるんですよ。だからたまに呼び出して、「どーしたん?ちょっと説明して!」って詰めてます。

野々口くん

そんなことやってんすか……?

阿部先生

君らはちゃんと出席してるからだよ。

野々口くん

こわすぎる(笑)。

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カツセマサヒコ

学生から見たら、阿部先生みたいな熱血教師ばかりじゃないでしょう?

野々口くん

そうです。阿部先生は、熱すぎる方です。

酒井くん

阿部先生は、できてない人に対しても、見捨てずに教えてくれるんです。普通はできる人しか相手しないでしょう? 優等生が結果出せばOKっていう先生もいる中で、阿部先生は絶対に見捨てない。むしろ下位にいるヤツから引き上げてくれるから。

カツセマサヒコ

そのほうがよっぽど大変そうなのに。

阿部先生

前に消防士志望の学生から電話かかってきて、「0.8を分数にしたら、いくつですか?」って勉強の質問されたことがあって。これ、マズいなって思ったから、「ちょっと待って? 明日、来て??」って言って、そこから週2回、3時間ずつ面倒見ました。

カツセマサヒコ

めちゃくちゃ手厚いじゃないですか……。

阿部先生

その子、ムードメーカーだったんですよ。勉強できないくせに頑張ってるから、みんなも頑張ろうってなってて。だんだん勉強できるようになってきたら、今度はそいつが他の学生に「な、わかる?」ってドヤ顔で教えてて。そういう姿を見るのも面白かったですね。

カツセマサヒコ

ちゃんと成績伸びたんですね。

阿部先生

みんな、伸びるんですよ。だから付き合ってみたくなっちゃうんですよね。毎年本当に、単位もろくに取れていない学生が来るんですけど、みっちり面倒を見るとちゃんと単位とって、卒業して、警察官やってますからね。感動しますよ、そういうの。

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カツセマサヒコ

中には、ついてこられない学生もいるんじゃないですか?

阿部先生

公務員目指すのを、辞めたいっていう子も、もちろんいます。面倒くさかったら、とっとと辞めればいいんですよ、勉強って大変だし。この前もひとり「公務員目指すの辞めます」って言いに来たんですけど、「うん、辞め辞め! やりたくないのにやる必要ないよ! 就活したらいい!!」って、あっさり受け入れました。

大学のいいところは、途中でやりたいことが変わっても、そこから頑張ればいいところ。公務員を目指さないのなら民間企業に就職するか、また別のことを頑張ればいいだけなんです。

自分に納得いく結果であれば、どんな将来でも応援したい

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カツセマサヒコ

ひとりひとりにそこまで時間をかけるのは大変だと思うんですけど、先生は何人くらい見てるんですか?

阿部先生

今の2回生が、多くて厄介なんですよねえ、40名いますからねぇ(笑)。

酒井くん

しかも、無料で来てますからね(笑)。

野々口くん

「無料の40名」だもんなあ。

カツセマサヒコ

「無料」が悪い意味に聞こえますね(笑)。

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阿部先生

それでも全員、受かってほしいですけどね。警察だけでなく消防も、一年に一人以上は合格者が出るようになってきていますし。個人的には、親身になって心配してくれる人がいると、人間って頑張れるんじゃないかなと思っていて。プレッシャーに弱い子もいると思うんですけど、そこは、キャラクターで(笑)。

カツセマサヒコ

阿部先生は、いい意味で教師っぽくない距離感ですよね。

野々口くん

先輩、くらいの感覚が近いです。

カツセマサヒコ

生徒との距離は、意識しているところがあるんですか?

阿部先生

大学生って、ちょうど親には相談しづらい時期じゃないですか。親が公務員じゃなかったらなおさら相談できないことも多いだろうし。だから、基本的に話はなんでも聞きます。女関係のことも話してきますからね。男の子って、意外と「話きいてほしい」って思ってますから。

塩見くん

前に失恋話をしたら、ゼミ中に「こいつ、別れたぞー!!」ってデカい声で言われたことがありますからね。

カツセマサヒコ

ひどい(笑)

阿部先生

あのとき、早めに別れてよかったな。あれ、4月だったら、落ち込んで公務員どこも受かってないな(笑)

塩見くん

そうかもしれないです(笑)

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阿部先生

でも、冗談抜きにしても、試験勉強中は精神的に落ち込むことが多いですから、できるだけ笑い飛ばしてあげるようしています。「落ちたね、それは!(笑)」とかも、よく言いますよ。

塩見くん

ああ、ありますね。試験の話したら、「あー、終わったな……。それは、落ちてるわ……(笑)」って言われたことあります。

カツセマサヒコ

傷つく(笑)。

阿部先生

でも、受かってると思って落ちたときと、落ちてると思って受かったときは、後者のほうが圧倒的にいいんですよね。私は前者だった。そのとき本当にショックで、マンガ喫茶でふてくされてましたから(笑)。

カツセマサヒコ

その言い方が許されるのは、阿部先生の人柄ですよね。近しい距離でいないと、冗談に受け取ってもらえないです、その言い方は。

酒井くん

いやー、そうですね、うちらの代、「阿部ちゃん」って呼んでますからね。

塩見くん

それでも礼儀は守るようにしていて、「先生怒らせたら、ヤバいな」っていつも思ってますけど。夢に出ますからね、ふつうに。

カツセマサヒコ

そこまで!?(笑)

阿部先生

指導が厳しすぎている気もするけど、怒る人も、そんなにいないと思うんです、今って。あとは、警察・消防になったら、ひとつのミスが命に係わることだから。そこは厳しくしたいなとは思っていますね。

去年もゼミ生10名のうち、警察官は4名でしたけど、全員やるだけやって、納得して民間企業に行っています。最後は精神論。みんなが納得いく将来にしてあげたいと思って、背中、どんどん押しています。

おわりに

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僕自身、学生数が多い大学にいたせいか、阿部先生の教育方針と、京都学園大学の「学生との距離の近さ」には、驚かされることばかりでした。

考えてみると、大学時代に成績のことできちんと怒ってくれた人なんて一人もいなかった。「進級できればいいよ、卒業できればいいよ」とだけ言われていたし、何の教科を受けようとも、どれだけ出席しなくても、「その自由さこそ大学生のウリだ」と決めつけていた自分がいた。

でも、阿部先生のような人と大学時代に出会えていたら、もっと大学自体に価値を見出せていたのかもしれないなと、先生と学生のやりとりを見ていて思わざるを得ませんでした。

これから大学に入る学生の皆さん、大学生活を謳歌中の皆さん、学生生活や将来にモヤモヤとした不安や不満を覚えているようなら、大学で恩師を見つけるのも、ひとつの手段かもしれません。充実した学生生活を過ごせるよう、いろんなことにチャレンジしてみてくださいね。

それではっ!

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カツセマサヒコ

下北沢のweb系編集プロダクション・プレスラボのライター。
書くこと、話すこと、企画することを中心に活動中。
最近『SNSポリスのSNS入門』(ダイヤモンド社)のコラムパートを執筆。
趣味はTwitterとスマホの充電。

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