【京都は最高】大学OBに会いに行ったら、もてなし具合がすごかった(後編)

【京都は最高】大学OBに会いに行ったら、もてなし具合がすごかった(後編)

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ライターのカツセマサヒコです。

皆さんこれが何に見えますか?
そう、お餅です。最高級のお餅を、シズル感たっぷりでお届けしています。

なぜお餅なのかというと、この記事は「京都学園大学のOBOGは経営者の人が多いから、いろんな先輩に会って、お話を聞こう!(あわよくばご飯とか食べさせてもらおう!)」という企画で、今回は餅屋およびケーキ屋を営む大先輩たちに話を聞いてきたからです。

「学生時代? ヨットでオーストラリアまで行ってたね」
「昔はシュークリームを一斗缶10個ぶん積んで、スクーターで運んでたわ」

など、相変わらずこの大学のOB経営者はおもしろエピソードに富んでいましたので、ぜひ最後までお楽しみください。

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(ちなみに第1弾は、超高級なカニ料理を食べさせてもらったり、京町家と扇子を堪能したりしました 。読んだらめちゃくちゃはんなりするようにできてます)

「やりたいことを、やる」胃がんになった母親がつくった餅屋

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まずお伺いしたお店は、阪急京都線河原町駅から徒歩7分、京阪電鉄本線祇園四条駅から徒歩10分程度のところにあるもち料理店「きた村」さんです!

もち料理「きた村」

営業時間 17:00~23:00
定休日 日曜日
住所 〒600-8013 京都市下京区木屋町通佛光寺上ル天王町154
電話 075-351-7871
ウェブサイト http://www.mochi-kitamura.com/

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めちゃくちゃ話上手な店主・北村保尚(きたむら・やすひさ)さん(1981年経済学部経営学科 卒業)にお話を伺います。

カツセマサヒコ

このお店ができた経緯は、どういったものだったんですか?

北村さん

ここはお袋が始めた店なんです。お袋は胃がん患者だったけども、「このまま死ぬのは嫌だから、やりたいことをやる」言うて、お医者さんの反対押し切って、この店を始めたんですわ。

カツセマサヒコ

お母さんかっこいい! じゃあ北村さんは、お母さんの後を継いだんですね。

北村さん

お袋、まだ生きてますけどね。

カツセマサヒコ

あ、そうなんですね。

北村さん

ええ。うちの家系、がんに強いんです。

カツセマサヒコ

「がんに強い家」なんてあるんですか。

北村さん

お袋は胃がんを治したし、僕も前までステージ4の肺がんだったのに、治っちゃったからねえ。

カツセマサヒコ

なんですかそのスーパーマンみたいな家系。

北村さん

まあ、そもそもがんにかからないのが一番なんですけど。

カツセマサヒコ

(たしかに)

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北村さんは、がんの治療技術が進むように、自分が死んだら検体に出すことを決めているらしい。心意気がかっこいい。

カツセマサヒコ

でも、「胃がん患者が始める小料理屋」って、響きだけ聞くとすごいですね。

北村さん

お袋は「もし私が死んだら、そのときはホームバーにでもしとくれ」と言ってましたわ。親父は電気屋だったので、工務店やらなんやらをすぐ呼んできてね。祖母のお茶屋だったこの場所で、すぐにお店を始めました。

カツセマサヒコ

どうしてお餅を扱うことになったんですか?

北村さん

開店の前に母はメニューで悩んでいたみたいですが、親父が「ええかっこしようと思って悩むからガンもできんのや。お客様にゆくゆく教えてもらいながらやればいい。とりあえずは餅の焼いたもんでも十分アテにはなる!」と言って、それで本当に餅料理を始めたんです。

カツセマサヒコ

行動力が高すぎる。

北村さん

それから、看板もほぼできあがっていたのに、強引に空いているスペース見つけて「もち料理」って付け足したらしいです。いつも、後出しじゃんけん(笑)。この店の生い立ちは、そんな感じでした。

餅みたいに、おおらかに、のびやかに生きてほしい

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カツセマサヒコ

北村さんは、どんな大学生だったんですか?

北村さん

僕は高校時代にヨット部だった。大学に入ってから高校時代の先輩に声をかけられて「日本のクルーザーチームでオーストラリアのレースに出るんだけど、手伝ってくれ」と言われて。

カツセマサヒコ

すごい! オーストラリアでレースしたんですか!

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「船をシドニーまで運んでほしい」って言われましたわ。

カツセマサヒコ

日本からシドニーまで!?!?!?

北村さん

結果的に、選手6人、クルーザーで西宮からシドニーまで行って、着いたらレースして、そこから香港まで戻って、香港からマニラまでレースして、今度はマニラから沖縄まで戻って、沖縄から東京のレースに出て、やっと大阪に帰ってくるっていうツアーやったね。

カツセマサヒコ

北村さんの肺がんが治った理由、純粋に体力があったからな気がしてならないです。

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カツセマサヒコ

大学は休んでレースに向かったんですか?

北村さん

そうですね。事務の方と話をしたら、「行ってこい! 帰ってきたら講演せえ!」とまで言ってもらえたんですわ。ただ、親父との約束で「帰ってからの学費は自分で払え」と言われて、そこからはアルバイトしながら通学してましたねえ。大学側も配慮してくれて、特別に学費を月額払いにしてくれたのを覚えてます。

カツセマサヒコ

当時ならではのエピソードかもしれませんね。

北村さん

今は、優秀な学生さんが増えてきて、こんな話したらサーってひかれるやろうなあと思うけどね。みんな、大人しくて真面目なんかな、最近の子は。僕は1年遅れて卒業してますけど、何もしてないのに2年遅れとったやつもおるからね。昔はそういう時代でしたわ。

カツセマサヒコ

でも、とても充実していらしたんじゃないかと思いました。

北村さん

僕は大学って、「人のつながり、輪をつくる場所」だと思ってる。それも、何かに利用するための人脈ではなく、自然に広がった脈っていうのが、いやらしくなくていいし、幸せやと思ってるけどな。

カツセマサヒコ

なるほどー。

北村さん

大学だけやない。祖母、お袋、親父、いろんなひとの思い入れと縁があってこの店ができて、そこに自分とこれまでの縁でつながった人たちが食べにくる。これって実は、盲亀浮木もうきふぼく、偶然と偶然が偶然に重なる様な確率だと思うんですよ。その連続で今も生きているし、こうして僕たちが出会って、取材を受けていると思うんですわ。

カツセマサヒコ

小さな縁の連続で現在が成り立っているっていうのは、すごい納得感があります。

北村さん

それでね、最後に学生にも言いたいんだけれども、人生ね、餅みたいに、おおらかに、のびやかに生きてほしいわ。

カツセマサヒコ

お、うまい!

北村さん

「餅つき」の餅もな、つかれてつかれて、叩かれて叩かれて、それでおいしなんねん。でも、人間、叩かれてばかりじゃだめでな、その中で、のびやかにもちつもたれつ生きなあかん。それこそ、お餅のようにや。そう思いますけどね。

カツセマサヒコ

なるほどなるほど~!

北村さん

最近の子は能力が高いし、何をやらせてもできる子が多いと思うし、小さなころからいっぱい習い事や勉強を教えてもらってきたと思うんや。せやけども、自分で決めて、自分でやりたいことやってみてほしいな。自分自身で考えて、ぶちあたってみたり、チャレンジしてみたりしてほしい。それでこそ、自分の人生ってもんや。

カツセマサヒコ

めちゃくちゃいい話が出た……ありがとうございました!

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出るわ出るわ、名言の数々! ボートで海を渡り、末期がんにも打ち勝ち、数多くの人たちとカウンター越しに対話し続けてきた北村さんだからこそ言える言葉に、背中を押されました。

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ちなみに「きた村」のお餅料理、めちゃくちゃ美味しかったし、店内の雰囲気も最高でしたので、ぜひ行ってみてください。とくに真ん中の「たらこもち」! 絶品すぎてたまらないので、オススメです!

もち料理「きた村」

営業時間 17:00~23:00
定休日 日曜日
住所 〒600-8013 京都市下京区木屋町通佛光寺上ル天王町154
電話 075-351-7871
ウェブサイト http://www.mochi-kitamura.com/

余韻を残したまま、次のお店へ~~~!!

1日400個のシュークリームを売る名洋菓子店

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続いてやってきたのは、太秦広隆寺駅から徒歩5分程度のところにある洋菓子店「パティスリー ヒロヤ」さん! 店主である高島義之(たかしま・よしゆき)さん(1980年経済学部経済学科 卒業)に話を伺います!

「パティスリーヒロヤ京都太秦」

営業時間 10:00~19:00
定休日 水曜日
住所 〒616-8142 京都市右京区太秦樋ノ内町1-10
電話 075-861-1124
ウェブサイト http://www.kyoto-hiroya.co.jp/

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カツセマサヒコ

このお店は、高島さんが創業されたんですか?

高島さん

いえ、僕は2代目ですね。大学を卒業してから一度営業畑の会社に就職して、そこから3年後に、父親の後を継ぎました。お店自体は、昭和31年からやってるんです。

カツセマサヒコ

すると、創業61年! ずっと変わらずに、こちらで営業されているんですか?

高島さん

創業当時は、店舗の形態を取っていなくて、卸売業として機能していました。上京区の御所の東に小さな工場があり、そこで作ったパイやクッキーを、神戸までスクーターで運んでいましたね。そして昭和41年からこの場所に工場を建てて現在に至っています。

カツセマサヒコ

スクーターで洋菓子? ロット数、全然運べなくないですか……?

高島さん

当時は18リットルの一斗缶に焼き菓子を入れて、10缶くらいスクーターに積んでいたんです。

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「完全にダメなやつじゃないですか」

高島さん

時代がよかったんでしょうね(笑)。そのころはケーキやクッキーの価値が、今より高価な物だったんですよ。スクーターで一回運べば、従業員の一カ月分の給与くらいは賄うことができました。

カツセマサヒコ

すごい時代だ。

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むらさき芋のモンブラン。ほどよい甘さがクセになる味だった。

カツセマサヒコ

今は、ヒロヤのシュークリームは、京都学園大学でも買えると聞きました。

高島さん

そうなんです。「京學堂」という学生のチャレンジショップが京都太秦キャンパスにありまして、そこに週に30個、卸しています。月曜日と火曜日に販売ですね。

カツセマサヒコ

きっかけはいつからだったんですか?

高島さん

2年前くらいに太秦で有名なケーキ屋とコラボするという話になって、京都学園大学の学生がいらっしゃったんです。それで学園大でシュークリームを販売することになりました。

カツセマサヒコ

シュークリーム、ここだと、どのくらい売れるんですか?

高島さん

1日100個ですね。

カツセマサヒコ

え、平日も!? 結構売れてますね!?

高島さん

以前、「京學堂」の学生がイオンに出張販売されたときは、1日400個売れました。学生さんも一生懸命販売していただいたおかげですが完売してうれしかったですね。一応60年間やらせていただき、あらためてみなさんに愛されているのだと思いました。これからも80年、100年と継続していかなと感じました。

「自分に襲いかかる障害は、自分で解決できるもの」

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カツセマサヒコ

高島さんが大学を卒業されたのは、何年ごろでしたか?

高島さん

81年卒業だったかな。35年前くらいになります。

カツセマサヒコ

勉強していて役に立ったことって、ありますか?

高島さん

学生時代に経営学を勉強していたんですけど、会社を継いでしばらくして落ち着いてきて、改めて勉強しようかなと思って見返したときに、「あー、あのころ勉強したなあ」とうっすら記憶が蘇った程度です。それでも、下地ができていたのは、ありがたいことでした。

カツセマサヒコ

30年のブランクがあったら、確かに思い出しにくいですよね。

高島さん

親父の後を継いでからしばらくはガムシャラに働いていたんですけど、亡くなって25年経って、「この店を守っていかなきゃあかんな」って気持ちになって、そこから勉強を始めましたねえ。ほんと、最近のことですわ。

カツセマサヒコ

学生時代は、どんなことをされていたんですか?

高島さん

4回生までに単位はほぼ取り終えて、あとは友人たちと、近くの池まで釣りに出かけていた記憶が強いですねえ。夏休みには、海に行ったりもしましたし。あとはアルバイトかな。いろんなところで働けたのは、大学時代だから経験できたことだったかもしれないですねえ。

カツセマサヒコ

ヒロヤを経営されて、一番苦労した時期はいつですか??

高島さん

今も苦労しているつもりです(笑)。でも、なんとかなる精神というか、自分に襲いかかる障害は、全て自分で解決できるものだと思ってるんですよ。

カツセマサヒコ

それは、ご自身の経験からですか?

高島さん

本で読んだことでもあるんですけど、それは確かだなあと。
「明日からアメリカの大統領にならなあかん」とかじゃ、ないじゃないですか。大統領や総理の苦労じゃないんだから、きっとどうにかなるって思ってます。

カツセマサヒコ

「宇宙からみたらどうでもいい」的なメンタルのやつですね。

高島さん

たとえば、従業員がひとりふたり減っても、なんとか持ちこたえてしっかり頑張っていれば、またちゃんと、誰かが来てくれるんですよ。それを繰り返しての、今かなあと。

カツセマサヒコ

なるほどー! やりがいなどは、どういったときに感じますか?

高島さん

そこはもう、月並みですけど、お客さんの笑顔ですねえ。
働く人たちには、休みを与えなきゃいけないでしょう? 昔は無休だったんですよ。それが少しずつ店を休むことして、いまは毎週水曜日が定休になりました。

カツセマサヒコ

時代の流れ的にも、そうなっていきますよね。

高島さん

でも、もしもその日がお客さんの誕生日で、ケーキを買いにきたのに店が閉まっていたら、悲しいですよね? 

カツセマサヒコ

たしかに。

高島さん

そこがもう、常にジレンマです。お客さんも喜ばせたいし、従業員もきちんと働いてもらうために、休ませたいので。

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カツセマサヒコ

お店に学生アルバイトの子もいると思うんですけど、見ていてどう感じますか?

高島さん

うーん、僕自身も人のことは言えなかったけれど、もっと自分の将来のことを考えてほしいですね。せめて2~3年後、どうありたいのか、何をしたいのか。未来を考えることを、若いうちから教えていきたいなと思ってます。

カツセマサヒコ

なるほどー。

高島さん

今の子たちは、協調性はあるけれど、「こうなりたい」とか、「これが得意だからこれやらせてほしい」とかがないんです。淡々と、周りに合わせていけばいいと思っている子が多いのかな。だから、もっと失敗してほしいですね。新しいことを何もしなければ、そりゃ失敗もしないから。

カツセマサヒコ

確かに。チャレンジが苦手な人は、どの世代でも少なくないかもしれません。

高島さん

もっと熱い人間になってほしいですね。ユルユルと生きるんじゃなくて、自分がしたいことを表に出してほしい。周りの様子を窺わずに飛び込んでほしいなあと思います。

カツセマサヒコ

大人にも刺さるような話でした……。ありがとうございました!

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こうして取材は終わりました!

「パティスリーヒロヤ京都太秦」

営業時間 10:00~19:00
定休日 水曜日
住所 〒616-8142 京都市右京区太秦樋ノ内町1-10
電話 075-861-1124
ウェブサイト http://www.kyoto-hiroya.co.jp/

今回は前後半あわせて4名の京都学園大学OB・OGに話を伺うことになったのですが、どなたにも当てはまったのは、みなさん行動力があったこと。そして、学生に伝えたいことを聞くと、「自分がやりたいことを見つけてその道を進んでほしい」と答える方が多かったこと。

どちらも結局は、流されず、主体的に人生を考えて動くことが求められているように感じられました。別に経営者を目指さなくたって、今回取材したみなさんのように生きるためには、大切なことなのかもしれません。

これから受験をする皆さんも、「周りが受験だから」と合わせるのではなく、自分が何をしたいかを一度よく考えたうえで、希望の学部などを選んでみてくださいね。

では、また!

カツセマサヒコ
カツセマサヒコ

下北沢のweb系編集プロダクション・プレスラボのライター。
書くこと、話すこと、企画することを中心に活動中。
最近『SNSポリスのSNS入門』(ダイヤモンド社)のコラムパートを執筆。
趣味はTwitterとスマホの充電。

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