「学校の先生」になりたいんだけど、やっぱりしんどいの? 教職課程の先生に聞いてみた

「学校の先生」になりたいんだけど、やっぱりしんどいの? 教職課程の先生に聞いてみた

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ライターのカツセマサヒコです。

ちょっと前に「モンスターペアレンツ」という言葉が流行ったり、教育現場の在り方も徐々に見直されるようになったりして、先生たちも大変だなあと思うことが増えたのですが、それでも教師って、なんだか憧れません?

子どもたちの未来(=日本の未来)を支える仕事って、責任重大だからこそやりがいがありそうだし、なにより、ホームルームでワイワイと文化祭の打ち合わせしてる様子とか、想像するだけでめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか。

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そんな教員に憧れる学生さんたちはたくさんいるわけですが、でも実際に働いてみないと、そのしんどさややりがいというものは実感できないわけです。
そこで今回は、教員志望の大学生お二人と、教職課程を大学で教えている先生お二人にお越しいただいて、「教員を目指すことの大変さ」と「教員になってからの大変さ」を聞いてみることにしました!

【お話する人】

小田先生

小田憲夫(おだ・のりお)先生 
福知山市出身 農学士 近畿大学農学部農芸化学科卒業。
京都府内公立中学校理科教員・校長職など38年間を経て京都府教育庁学校教育課でコーディネーターを勤め、現在は京都学園大学非常勤講師、嘱託講師として「理科教育法」や「教育実習事前指導」「教育実習」等を担当。
教職課程指導室で学校教育現場での経験を活かした指導等を通算9年間おこなっている。

眞理谷先生

眞里谷隆司(まりたに・たかし)先生
亀岡市出身 体育学士 日本体育大学体育学部体育学科卒業。
京都府立高等学校(保健体育科教員、副校長、校長)35年の勤務を経て、京都学園大学で嘱託講師として、教職課程(教育実習)、健康スポーツ学科・教育コース(実践プロジェクト等)を通算2年間担当。
中学校・高等学校の保健体育科教員をめざす学生に、公正・公平で教育的愛情と教職に対する使命感を持って生徒と接することができる人材を育て、日々成長する生徒を肌で感じることのできる素晴らしさを実感してもらえるよう教員養成に努めている。

小松原くん

小松原周(こまつばら・あまね)くん 
バイオ環境学部バイオ環境デザイン学科4回生。教職カリキュラムの全過程を経て、教員免許の取得と卒業が決定したばかり。

佐藤さん

佐藤弥生(さとう・やよい)さん
人文学部歴史文化学科1回生。中学時代の社会の先生から「教員を目指したら?」と言われたことをきっかけに、教師になることを決意。

「生徒のトラブル、どうするの?」

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カツセマサヒコ

今日はよろしくお願いします! 先生って、大変なことも多そうですけど、基本めちゃくちゃ楽しそうですよね!?

眞里谷先生

そうですね。同窓会などに招かれて「あのときの先生の言葉、今でも忘れていません」と言われると、教師をやっていてよかったなあとしみじみ思います。

カツセマサヒコ

最高じゃないですかそれ! 何年たっても忘れられないっていいなあ……。

眞里谷先生

でも、授業ひとつ取っても準備しなければいけないことは本当に沢山あります。トラブルが発生した場合も、それぞれ対応のしかたが異なりますから、自分が描いているパターンには留まらないことばかりですし。

カツセマサヒコ

問題も、時代と共にかたちを変えますもんね。たとえば今って、SNSを使ってみんなが発信できるじゃないですか。高校生がそれで炎上とかしてると、学校側も大変だなあって思うんですけど。

小松原くん

あ、僕、そのテーマをグループワークの授業でやりましたよ。

カツセマサヒコ

え、そんな授業もあるんだ! どんなことを話したんですか?

小松原くん

“近隣の中学校でSNSを使った事件が起きた”っていうケーススタディだったんですけど、まずはSNSのメリット・デメリットについて話し合って、そのあと、事件について、ホームルームでどのように取り上げるかを議論しましたね。

カツセマサヒコ

ちなみに、小松原くんはどういう答えを出したんですか?

小松原くん

まずは「近隣の中学校」ということを伝えるべきかどうかから、悩みました。

カツセマサヒコ

え、そこは別に、伝えてもよくないですか? 固有名詞を出したわけでもないし。

小松原くん

だからこそなんです。特定の学校名を出さないと、生徒たちは「どこの中学校?」って部分だけで盛り上がっちゃうかもしれないじゃないですか。

カツセマサヒコ

うっわ、たしかに。中学生とか、すーぐそういう発想しそう……。

小松原くん

本当に伝えなきゃいけない部分が遠ざかってしまうから、その話題は出さないほうがいいんじゃないか、という話をしました。結果的に、SNSの話だったのに、テーマが「どうやったら問題の核心を生徒に伝えられるか」になっているんです。

カツセマサヒコ

めちゃくちゃおもしろい……!

眞理谷先生

こうした実践的な授業は、京都学園大学では数多くやっていますね。

「50分の授業」の難しさ

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カツセマサヒコ

当たり前ですけど、教員免許を取るためには、教職課程の単位も取らなきゃいけないし、勉強量がめちゃくちゃ多くて大変そうですよね。

佐藤さん

わたしはまだ一回生なので、ほかの人よりも4コマ多いくらいかな……? それでも夕方や土曜日に授業があるので、大変といえば、大変ですね……。

カツセマサヒコ

京都学園大学ならではの授業とかもあるんですか?

小田さん

まず、教職課程を選択した時点で、学生ひとりひとりに対応する常勤の先生が教職課程指導室に配置され、学生の相談や教師としての心構えや進路指導等について指導しています。この点は、この規模の大学ならではの気がしますね。

カツセマサヒコ

なるほどたしかに。

小田さん

あと、一般的な大学では、四回生になると教育実習のために母校に戻りますが、京都学園大学では三回生の時点で「教育実習事前指導」を徹底的にやります。

カツセマサヒコ

教育実習事前指導……?

小田さん

簡単に言うと、模擬授業です。本番と同じように「指導案」や「板書計画」等を作成し、担当の先生に提出し指導を受けてから、想定される質問等をシミュレーションしたうえで、模擬授業に登壇してもらうんです。

カツセマサヒコ

授業って、ただ登壇するだけじゃなくて、そんなにいろいろ資料作らなきゃいけないんですね。

小田さん

教師は皆さんそこまでやっているんですよ。1回1回の授業に授業計画を立てて、自ら学ぶ態度を育成するような指導方法を考えて、50分間に挑んでいるんです。教材ひとつとっても、クラスにより発言が多いクラス、リアクションが薄いクラスなどムードが違うので、その都度反応を見て変更していかなきゃいけないんです。まったく同じ授業なんて存在しないんですよ。

カツセマサヒコ

(教科書の内容を適当に翻訳して教えているだけかと思っていた……)

小田さん

ベテランの先生になると、もう何周もそれを繰り返していますからね。身体で覚えているからアレンジを効かせたり、省略したりするんでしょうけど、そこに至るまでには本当に大変です。

カツセマサヒコ

おじいさんみたいな先生がすごく雑な板書をしてるのを見かけますけど、あれは慣れのせいなのか。

小田さん

それか怠惰ですね。

カツセマサヒコ

(ハッキリ言った)

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カツセマサヒコ

小松原くんはもう免許を取得したわけだけど、大学で一番苦労した授業は何でした?

小松原くん

やっぱり模擬授業ですね……。教育実習本番でもあまりうまくできなかったですけど、模擬授業がなかったらもっとひどかったです……。

カツセマサヒコ

授業やるのって、そんなに難しいのか!

小松原くん

時間配分がなかなかうまくできないんですよね。話すことに夢中になっていると、時計を見る感覚がどんどん開いていって、最後の方はラスト15分で強引にねじこむっていう……。

カツセマサヒコ

そういう先生、よく見かけました。

小松原くん

僕は授業計画ひとつ考えるのにもかなり時間がかかっちゃうので、毎日授業やっている先生たちって本当にすごいと思いました……。教育実習中は本当にしんどかったです。本当にしんどいよ?

佐藤さん

・・・・・・。

カツセマサヒコ

後輩が完全に希望を見失ってる。

それでも目指したい「教師」への道

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カツセマサヒコ

子どもたちの将来に関わるだけあって、「教育」って大事だなと改めて思ったのですが、学生のお二人は、どのような教師になりたいと考えていますか?

佐藤さん

わたし、高校の授業とかきらいだったんです。授業中寝てたりしてて。

カツセマサヒコ

え、そうなんですか。

佐藤さん

夏休みの課題のテキストとか、10月くらいに捨ててたんですよ……(笑)。だから、なんで教師を目指しているのか、自分でもたまによくわからないんですけど……。

カツセマサヒコ

でも、なりたい姿があるんですよね?

佐藤さん

はい。先生って、すごい職業だと思っていて。わたし自身も、先生から「教職とりなよ」と言われたからこうして動いているわけだし、その影響力の大きさを実感しているんです。もしかしたら生徒の人生を大きく変えてしまうかもしれない。だったら、より良い方向に導いてあげたいと思っていて。だから進路指導や学校生活のサポートをしてあげられる先生になりたいと思っています。

カツセマサヒコ

なるほどー!

小松原くん

僕は、生徒の選択肢を増やすことをしてあげたいです。何も知らないと、選択肢はひとつやふたつなんですけど、社会で生きていると、自分と違う考え方を持った人とたくさん出会います。そのときに違いを受け入れられる寛容さとかは、教育の中で養われていくのかなと思っていて。

カツセマサヒコ

たしかに。学校だって社会の中ですもんね。

小松原くん

そうです、そうです。それと、もうひとつは「抵抗」する力を育てたいんです。社会の中では当たり前になっているものでも、きっとおかしな部分はいくつもあって。それらに、自分なりの意思で抵抗できるようになることも大切。教師という立場からそれを教えていきたいんです。

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カツセマサヒコ

一方で、教師の立場は日に日に厳しくなってきていると思うんですけど、先生方はどうお考えですか?

小田先生

教師を目指すには、なによりも熱意が必要です。指導力も知識も大切ですが、熱意が心に灯っていなければ、教師として暮らしていくのは難しい。38年間生徒たちを見てきて、その後9年間ここで教師を目指す人たちを見て、それを実感しています。

カツセマサヒコ

(説得力が違う)

小田先生

教育現場に出ると、いろんな状況があります。昔は「先生! 先生!」と持ち上げられていた存在が、今は一労働者として考えられ、さらには「質が低下した」と言われる時代です。でもその中でも、子どもたちと純真に向き合える、話ができる。そういう感性が大事だと思うんです。

カツセマサヒコ

そうですね。子どもたちと向き合うとき、外野は関係ないですもんね。

小田先生

採用試験の壁は年々高くなりますが、熱意があればいずれ届くと思うんです。そして、教師は教えるだけじゃなく、教えられることも多い。何も偉そうにする必要はないし、生徒に謝れるだけの度量を持っとけよ、という教えもよくしています。

カツセマサヒコ

「先生」という言葉に引っ張られすぎないことが大切なんですね。

眞理谷先生

私も小田先生と同意見ですね、愛情を持って接することが何より大切だと思います。その生徒たちが、日々成長するなかで個性を生かし、将来、どのような人生を歩んでくれるのか。そのことがすごく楽しみだから、教師を続けることができました。教師の言葉は10代にはストレートに届きやすいです。だから絶対に軽はずみな言動は慎まなければなりません。10年後、20年後の成長した姿を見るのが楽しみですね。

カツセマサヒコ

他人に関心がなければ絶対に教師は務まらないですもんね……。みなさん、ありがとうございました!

おわりに

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どれだけキャリアを積んでも、時代が変われば子どもたちも変わり、指導方法も変わっていく。授業に慣れたつもりでも、常に愛情と緊張感が求められるのが教育現場であることを知りました。

小田先生に限っては「もう中学生には教えていないのに、未だに寝言で生徒を叱っていると妻に言われました(笑)」と仰っていて、完全に職業病だと思ったのですが、それも話を聞いた後では納得できるところがあります。

将来教師になりたいと考えている皆さん! どうかその熱意をいくつになっても忘れずに、変わりゆく子どもたちの成長を、愛情持って見守ることができる先生になってくださいね! 応援しています!!!!

それではっ!!

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カツセマサヒコ
カツセマサヒコ

下北沢のweb系編集プロダクション・プレスラボのライター。
書くこと、話すこと、企画することを中心に活動中。
最近『SNSポリスのSNS入門』(ダイヤモンド社)のコラムパートを執筆。
趣味はTwitterとスマホの充電。

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