バイオ環境デザイン学科│NLSPC

環境省の重点対策外来種に指定されているジャンボタニシ。南方系の生き物で、食用として日本に持ち込まれたものが西日本に定着している。植物を食べるため、九州ではイネの食害が問題となっている。分布拡大の最前線といえる亀岡はどうなっているのか、その実態を丹羽研究室の学生たちが調査した。ジャンボタニシの分布拡大を未然に防ぐための対策に活かしてもらうため、研究成果は論文にまとめて発表する予定だ。

ジャンボタニシの卵。鮮やかなピンク色をしている。学生たちは亀岡市内の水田周辺を見て回り、卵を見つけた箇所をGPSで記録することで分布状況を把握した。

ジャンボタニシの生息に適した場所を予測した地図。分布情報に気温や水路密度などの環境要因を加えた統計モデルで分布を予測。拡大防止対策を優先的に講じるべきエリア(上図の赤丸)が選定可能に。

京都の森が危ない。野生のシカが樹木の葉や皮を食べている。湿原でもミツガシワなどの希少な植物が食害にあっている。丹羽研究室では、京都市北区の深泥池に赴き、ドローンで周辺を定期的に撮影。また、同じく北区の宝ヶ池公園でもシカ被害の調査を進めている。緊急的な防鹿柵の設置などの対策はとられているが、総合的な対策の検討にはリアルタイムの現状把握が有効。

2015年と2016年の画像から、シカの足跡の密度を比較した結果。明らかに西側の住宅地近くまでシカが近づいてきているのがわかる。


ドローンを飛ばし、現場調査を繰り返し、集めた生物の情報を「地図」にする。すると、今まで見えてこなかった自然や街の新しい姿が見えてくる…。人と生き物がこれからどうあるべきか。持続可能な美しい「生物親和都市」をどのようにデザインするのか。そのような課題の解決策を考えるために必要となる、自然や街の変化についての「科学的な根拠」を提示できることに研究の魅力を感じています。田んぼが消え、水路がコンクリートに変わるなかで、生き物はどうなっているのか。みなさんも身近な自然や街の姿を見つめ、その変化をとらえる目を養ってください。それがバイオ環境デザインの学びの出発点です。

植物プランクトンは、硫化ジメチル(DMS)という磯の香りの主成分のもととなる物質を体内に蓄えている。このDMSを通した、海洋生態系と地球の気候のフィードバック機構が存在するという仮説が提唱されて久しい。植物プランクトンを含む海洋生態系によりDMSが海水中で生成され、それが空気中に放出されると、酸化され、硫酸塩エアロゾルとなり、雲を形成する凝結核のもとになる。DMSの放出が盛んで地球を覆う雲が増えると、太陽光が遮断されて気温が下がり、植物プランクトンの生育が弱まる。そうしてDMS の放出が減って雲が減ると、また太陽光が海面に届くようになり…これが、海洋生態系と気候のフィードバック機構だ。地球温暖化にも関わるこのフィードバック機構仮説のもと、高澤准教授は気候変化が表れやすく、植物プランクトンの豊富な海域である南極海まで足を運び、調査活動に従事した。DMSと地球の気候変化の関係は未だ不明瞭ではあるが、地球環境の仕組みを分析するダイナミックな研究はバイオ環境デザインの学びの真骨頂だ。

氷の下に広がる海洋生態系を調査。南極・昭和基地にて。


東日本大震災が起きた後、東北の海を調査した経験があります。しかし、生き物がどれだけ震災(と震災から派生した出来事)から影響を受けたのか十分にわかりませんでした。震災前の環境がわからず、評価できなかったのです。亀岡の自然環境は実に豊かに見えますが、生態系や水環境がどのように築かれているのか、現状を把握しておく必要があります。豊かさが失われてからでは遅いのです。亀岡を流れる曽我谷川や桂川、家の周りの身近な河川や海、湖の水質調査に一緒に取り組んでみませんか。雄大な自然環境システムを知り、次代に受け継いでいくために、今、行動を起こしましょう。

廃水の窒素成分は水質汚染の原因となり、湖や海の富栄養化をもたらす。下水処理場でも、窒素を効率よく除去する設備が必要だ。金川先生の研究室では、アナモックス菌を利用した新しい窒素除去技術の開発に取り組んでいる。下水中の窒素成分を分解するとアンモニアになり、それを窒素ガスに変換するのが廃水処理の基本的な方法だ。新技術では、酸素が必要な「亜硝酸菌」を用いて、アンモニアの一部を亜硝酸に変換し、酸素を嫌う「アナモックス菌」で「アンモニア+亜硝酸」を「窒素ガス+水」にする。この方法では廃水に吹き込む空気の量が少なくすむなどメリットが多い。実験室の機器は世界最高速の処理性能を発揮しており、日本での実用化も金川先生の目線の先にある。


近年、細菌集団の働きが注目されるようになってきていますが、その集団中に、どんな種類の細菌がいて、それぞれがどんな役目をしているのか、解析が難しくて、実はよくわかっていません。人間の腸内にいる細菌を善玉菌・悪玉菌と分けたりしていますが、それもどれだけ正しいのかわからない。しかし、だからこそ研究対象として面白いとも言えます。人の顔の表面にもたくさんの細菌がおり、どの細菌がきれいな肌と関係するのかの解明を化粧品会社に依頼されたことがあります。細菌は極小サイズの生命体ですが、それを対象とした研究は、将来の可能性の面でも実にスケールが大きいと私は思います。

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