京都学園大学

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Departmentバイオサイエンス学科

生物有機化学研究室(分子生命科学コース)

更新日:2015年11月9日(月)
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昆虫由来のフェロモンや防御物質あるいは強力な殺虫効果をもつ有機化合物の構造を機器分析によって決定。その働きを解き明かすことで、医薬や農業への応用を追求し、人々の健康と快適な生活への貢献をめざします。

研究内容

生物有機化学研究室では、昆虫などの身の回りの生物が放出する、防御物質やフェロモンなどの生物活性物質の探索と合成にチャレンジしています。ニホンミツバチの分蜂群を誘引する東洋ランのキンリョウヘンから誘引物質を抽出して化学合成したり、コガネムシの性フェロモン成分や、グンバイムシの警報フェロモン成分の化学構造と役割の解明を進めてきました。このような研究は、ニホンミツバチの分蜂群を巣箱に誘導する方法の開発や、合成フェロモンを使った害虫防除剤開発などの成果を産んできました。これからも、生き物が分泌して他の生き物に影響する物質の解明研究を発展させていきます。ところで、生物有機化学研究室は、2015年のノーベル生理学・医学賞に輝いた大村博士が所属していた研究室と同じ名前です。大村博士は放線菌がだす抗生物質の化学構造を解明されました。このことが、何億人もの命を救う抗線虫薬の開発につながりました。君が見つけた新規化合物が思いもよらないところで人々の役に立つかもしれない、そんな魅力も秘めた研究室です。

  • 害虫防除のための合成フェロモンを圃場に設置した後の風景害虫防除のための合成フェロモンを圃場に設置した後の風景
  • フェロモンの有機合成フェロモンの有機合成

これまでにどんな発見をしましたか?

  • 昆虫のフェロモンを利用した交信かく乱法の効果の検証昆虫のフェロモンを利用した交信かく乱法の効果の検証
  • 野外での昆虫の生態の調査野外での昆虫の生態の調査

昆虫は匂い(化学物質)を頼りに繁殖行動を成立させたり、生存に役立てたりしています。それに関わる物質はフェロモンや防御物質ですが、昆虫から土壌小動物に至るまで、これまで数十種のフェロモンを解明しました。そのフェロモンの中には、これまで誰も発見できなかった全く新しい化学構造をもつ物質もありました。合成殺虫剤に頼らない害虫防除法としてフェロモンを利用した交信かく乱法が、実際の農業現場で威力を発揮することを実証できました。現在は、フェロモンが昆虫体内でどのように作られているのか、あるいは昆虫にだけ有効に働く殺虫成分の探索を進めています。将来的には、それらの新発見に基づいた新しい害虫防除法を提案したいと考えています。

虫の“におい”はどうやって作られる?

遠心分離法によるフェロモン生合成酵素の精製
遠心分離法によるフェロモン生合成酵素の精製

“におい”とは揮発性の有機化合物を指しますが、虫も植物も放出する化合物はバラエティーに富んでいます。これらの“におい”は情報伝達の役割をもっていて、虫と虫、虫と植物などの間で目に見えない複雑なやり取りが行われています。それでは生き物の体内で“におい”はどのように作られているのでしょうか。私たちはこの疑問を明らかにするための生合成研究にチャレンジしています。生合成とは生き物が体内で生体分子をつくることを言います。“におい”の素(原料となる化合物)を探り当てて、そこから完成品ができるまでの道筋(途中で作られる中間体)および辿り着くまでに不可欠な必需品(酵素や遺伝子)を明らかにするのが生合成研究です。“におい”を作り出す遺伝子を利用すれば、社会にとって有用な“におい”を生産することで産業活動に貢献できるかも知れません。

学生による研究室紹介

学会発表インタビュー(男子院生)

どんな研究成果を発表しましたか?
ポスター発表モロコシソウのイエシロアリに対する摂食阻害物質の探索で、新しいシロアリのアッセイ方法とモロコシソウの効果についてポスター発表しました。
学会の雰囲気を教えてください。
日本応用動物昆虫学会は、スーツや白衣で発表というわけではなく、特に学生はラフな格好で発表に望むことの出来る空間でした。
発表はうまくいきましたか?
ガチガチに緊張しましたが、発表の内容に対し色々指摘してもらえた事から、自分が伝えたかった内容は、理解してもらえたと考えています。

卒論中間発表インタビュー(男子学生)

卒論のテーマについて教えてください。
ミトコンドリア内膜に局在するタンパク質の機能解析に役立つ有機化合物の合成開発を行っています。生物活性を示すと期待される構造をデザインして、実際にそれを合成します。うまく進行しない反応も多いのですが、そんな時は背景にある反応機構を勉強して、条件検討に活かします。
卒論中間発表とはなんですか?
卒業論文を書き始める前に、実験の途中経過を教員や学生の前で報告し、質問や意見をもらう場です。10分ほどの内容にまとめて口頭で発表を行った後、5分ほどの質疑応答があります。
中間発表をおこなっての感想や、中間発表により得たものを教えてください。
先生や大学院生からの意外な質問にとまどうこともありました。しかしそれは新しい視点を与えてもらったということで、とても貴重な経験でした。また、資料作成に関するヒントを得られました。自分では「これでよし!」と作った図表でも、第三者が見ると分かりにくい場合があるとわかりました。やはり多くの人に見てもらうのが大切だと思います。

卒業論文のテーマについてインタビュー(女子学生)

卒論のテーマについて教えてください。
ナシグンバイナシ・リンゴの葉に寄生するナシグンバイを研究対象にしています。サクラの葉にも寄生するので、大学構内で簡単に採集できます。ナシグンバイはカメムシの仲間ですが、あの嫌な臭いはしません。その代わり特徴的な匂いを出しているようで、それがフェロモンの役割を果たしているかどうかを調べています。
実験は楽しいですか?
慌てて動き出す様子が可愛らしく毎日、いろいろな発見があります。普段、葉っぱの上でほとんど動かないグンバイ虫が、試験用に調製した匂い(虫の分泌成分)に反応して慌てて動き出す様子が可愛らしくて観察するのがとても楽しいです。
研究を進める上で工夫している点を教えてください。
出来るだけ元気な虫で実験することです。虫は言葉を話せないので、じっくりと行動を観察することで、虫の気持ちを理解しようと頑張っています。そのために疲れていたり弱っていたりする虫よりも、捕まえたばかりの元気いっぱいの虫を使って実験をしています。

学生から先生へのインタビュー

研究は楽しいですか?
反応いかねえなうもちろん、楽しいから続けられるわけですが、それは単に「ラクチン」ということではありません。例えば48時間連続して観察を行わねばならない実験もあります。有機合成ではきれいに反応が進行することの方が珍しいくらいです。研究対象の生物を確保できないこともあります。傍からみると「苦行」とすら思われることがあるかもしれません。けれども、そのように思い通りには進まないことこそが「楽しい」のです。さらにあれこれと考えたり、次の実験を計画したりできるからです。仲間との議論や息抜きもかけがえのない時間です。

教員紹介

清水 伸泰

コメントなし

若村 定男

コメントなし