京都学園大学

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Departmentバイオサイエンス学科

食品機能学研究室(生物機能開発コース)

更新日:2017年10月17日(火)
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京野菜や果実の調査をしている食品機能学研究室。京野菜は体に良いことはなんとなく理解できるが、糖質の吸収を遅らせる作用があり、ダイエットにも効果的。さらにガンを防ぐ成分も含まれているのだというからビックリ!
食品成分の高付加価値化技術の開発
バイオサイエンスによって、食品の美味しさや機能性に関するさまざまな原理が解明されています。この研究室では、最先端の分析技術と機能性評価方法を駆使して、京都ブランド野菜や地元野菜食の機能性成分の分析や高付加価値化、新しい食品素材の開発、さらに医薬・化学産業への応用をめざした研究に取り組みます。
教員紹介

藤田 裕之

コメントなし

矢野 善久

コメントなし
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「亀岡生まれ、世界育ち」になれる食材を探そう
食品のなかには、私たちが生きていくために必要な栄養成分の他に、体の調子を整える機能もあることがわかってきました。その代表格が、「トクホ」という通称でおなじみの「特定保健用食品」。からだの生体調節機能を示す成分を含んでいると、国によって認められた食品です。
食品機能学研究室でも、さまざまな食材を分析して体調の改善や病気の予防に効果がある成分を探しています。
なかでもよく研究しているのは、京都亀岡キャンパス周辺の豊かな田畑で栽培されている京野菜。他の地域で手に入りづらい独特の品種は、可能性の宝庫なのです。有用成分を発見できれば、ぜひとも商品化して「亀岡生まれ、世界育ち」の食品に成長させていきたいと考えています。
民間療法は本当?実験を通して現れる意外な可能性
京野菜のほかに研究対象としているのが、民間療法などで「アレルギーに効く」「がんを小さくする」といった機能が伝えられている食材。そのように言われるようになった科学的根拠を明らかにしようとしています。
最近では、「血圧を下げる」とよく言われている、ある野菜について実験してみました。確かに血圧を下げる機能を確認できましたが、驚いたのは食べずに捨ててしまっている部分の方が圧倒的に効果が大きかったこと。現在、さらにその成分の検討を進めている最中ですが、どうやら未知の物質が含まれているようなのです。研究中のところなので、何の野菜なのかはトップシークレット!
他にもさまざまな食材を扱っていますが、民間療法で言われている通りの効果が認められない場合もありますし、それとはまったく違う作用が見つかることもあります。日々発見の連続で、興味が尽きません。
このような研究は、誰も手をつけたことのないことに挑戦することになるので、うまくいかないこともたくさんあります。しかし、その分成功したときの喜びや達成感は、他のことでは得られないものです。面白そうな食材を探してきたり、実験方法を一から考案したりと、主体的に取り組めば取り組むほど、研究の面白みを感じることができると思います。
実験や研究を通して学んだ方法論は、君の人生の支えになる
実験を通してデータが得られても、その読み解き方を知らなかったり、固定観念に縛られたりしていると、せっかく面白い数値が現れていても気づくことができません。研究を積み重ねているうちに、その気づきやこれまで勉強してきた知識の使い方、さらには勉強の仕方そのものも身についてくると思います。そうした方法論は、研究室の中だけでなく卒業後の人生においても役立ちます。
卒業生の進路は、学生によってさまざま。食品系が主な就職先にあげられますが、他の分野の研究開発職や、知識を生かして環境調査などの特殊な技術職についたりする学生もいますし、さらに専門知識を深めるために大学院へ進学する学生もいます。
ただ、どのような進路を選ぶにせよ、課題に向き合うときの方法論は変わりません。実験や研究を通して身につけたことは、あらゆる場面で支えとなってくれるはずです。
topics

研究内容

食品成分の解析に関する研究

京都産黒大豆の枝豆種皮の栄養成分
京都産黒大豆の枝豆種皮の栄養成分

京都産黒大豆(新丹波黒、紫ずきん)の枝豆(未熟種子)の種皮にアントシアニン(黒豆色素)の還元体(酸化されてアントシアニンになる)や健康効果がよく知られているカテキン(緑茶の健康成分)やプロシアニジンが含まれていることを発見しました。

京丹波産ハバネロ唐辛子の評価
ハバネロ

ハバネロ唐辛子(京丹波産)は激辛ですが、非常にフルーティーな香りがします。この香り成分をガスクロマトグラフ-質量分析計(GC/MS)で詳細に調べ、辛くない万願寺とうがらしや伏見とうがらしなどと比較し、和食食材に対する価値を考えています。(ハバネロ写真)

夏の暑い時期においしい黒豆枝豆が食べられるように

紫ずきんなどの黒豆枝豆のうま味成分(糖やアミノ酸)を高速液体クロマトグラフ(HPLC)やGCで含有量を分析し、播種・収穫時期や有機肥料の施肥量・施肥時期との関係から最適条件を調べています。夏の暑い時期においしい黒豆枝豆が食べられることを目標としています。

京都ブランド野菜
今日のブランド産品

京都ブランド野菜や地域栽培野菜などの機能性評価ライブラリの作成をしています。試験官、細胞レベルで、必要であれば動物実験で機能性評価し、京都野菜に新しい付加価値を付けます。

食品成分の機能性に関する研究

生活習慣病予防効果を持つ京野菜の探索法開発
インスリン抵抗性

生活習慣病予防効果を持つ京野菜成分の探索法を開発し、有効な京野菜を調べます。筋肉細胞をインシュリン抵抗性にし、各種京野菜成分がインシュリン抵抗性を減弱するかを調べます。糖尿病改善食材になり可能性があります。

糖質消化酵素のはたらきを抑制する京野菜・果実の調査
糖質消化酵素

糖質消化酵素のはたらきを抑制する京野菜・果実を調べています。デンプンはぶどう糖(グルコース)まで分解されないなら、吸収されません。アミラーゼやグルコシダーゼなどの糖質消化酵素の活性を抑制する食物にはダイエット効果による生活習慣病予防効果が期待できます。

京野菜などの発がん抑制成分の調査

発がん性物質の評価に使用されるエームス試験の簡便法を確立し、京野菜などの発がん抑制成分を調べます。おろし大根がこのような作用があることが知られており、京野菜にもあれば付加価値があがります。

発酵微生物を使った機能性成分の変換

麹菌や納豆菌などの食経験のある発酵微生物をもちいて、カプサイシンやカテキンなど辛かったり、苦かったりする食品成分を変化させ、より食べやすい食品成分として、機能性食品としての利用を図ります。

ゼミ行事

実験進捗報告会を毎週しています。2週間に1回、発表です。先生方の厳しい質問が飛び交います。それ以外に、卒業論文の緒論のために、その背景などを広く、深く調査してパワーポイントで発表します。春学期に2回、秋学期に2回程度発表します。これらで調べたことが緒論の10ページ(1万字相当)になります。

夏のBBQ大会
夏のBBQ大会
〆は矢野先生のプロ技の焼きそばです

恒例で、4年生が準備し、1-3年生のスタートアップゼミの学生も参加します。40-50名で、キャンパス内のBBQ場で汗をかきながら肉や野菜を焼き、食べます。〆は矢野先生のプロ技の焼きそばです。

卒業論文発表会
卒業論文
卒論打ち上げ
卒論打ち上げ

卒業論文発表会の日に打ち上げをします。このときは飲酒OKです。

卒業式の証書授与風景
卒業式の証書授与風景

先生が一人一人に握手をしながら手渡します。先生の幸せが学生に移ってきっと幸せになります。

卒業研究の一例

  • かめまるいも粉練り込み食品の物性評価・食味
  • 城州白梅の成分の検討
  • ゴマ油成分の解明とゴマ油の特性
  • 紫いもの蒸し汁の分析と甘酒の製造
  • ゴマ粕の消臭効果
  • ヤマイモの難消化性でんぷんの定量
  • 丹波地域野菜のライブラリーの作製と抗酸化活性
  • コレステロール代謝阻害物質のスクリーニング
  • 黒ゴマ色素成分の同定
  • 培養細胞を用いた抗アレルギー性物質のスクリーニング
  • ウリ科植物由来のアンギオテンシン変換酵素阻害物質のスクリーニング
  • 食品中のリパーゼ活性阻害物質のスクリーニング
  • 食品由来のα-グルコシダーゼ阻害物質のスクリーニング
  • グルコースアナログを用いたインスリン低抗性改善物質のスクリーニング法の開発
  • 食品中のリパーゼ阻害物質のスクリーニング
  • 食品由来のα-アミラーゼ活性阻害物質の検索