京都学園大学

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Departmentバイオサイエンス学科

微生物機能開発学研究室(生物機能開発コース)

更新日:2017年10月16日(月)
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「モルティエレラ」という特殊能力を持つカビ。実は人間の記憶力の向上に必要な「アラキドン酸」を多く含み、粉ミルクなどの添加物として使用されているのだそう。しかし、まだまだカビの特殊能力は謎に包まれている。未知なる可能性から目が離せない!
微生物の有用機能を探し出す!
自然界には、想像を超える機能を持つ微生物が数多く眠っています。こうした微生物機能の発見と役立つことへの応用を目指した研究を行い、資源の高度利用に活かす方法を模索します。そのなかでも、油を含んだ廃水を処理する微生物の実用化やバイオプロセスの開発を行うなど、企業との連携プロジェクトにも挑戦しています。
教員紹介

萩下 大郎

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櫻間 晴子

コメントなし
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微生物がうま味をつくる。常識を覆した半世紀前の発見
料理の隠し味に、いわゆる「うま味調味料」を使ったことはありますか? 主成分はアミノ酸の一種であるグルタミン酸ナトリウムで、もともとは昆布や小麦から抽出されていました。しかし、1956年にアミノ酸を大量に分泌する微生物が発見されて以来、うま味調味料は工場のタンクの中で、微生物(またはその酵素)によって生産されています。
アミノ酸をつくる微生物を見つけたのは、協和発酵工業(現協和発酵キリン)の鵜高重三(うだかしげぞう)博士(1930-2015)。アミノ酸は微生物にとってもなくてはならないものなので、それを体外にたくさん出す微生物は存在しないと考えられていたのですが、そんな常識を覆し、日本の微生物産業が世界に飛躍するきっかけとなった大発見でした。
2015年にノーベル生理学・医学賞を授与された、大村智博士による「イベルメクチン」(抗寄生虫薬)の研究も、博士が発見した微生物が作り出す物質からうまれたもの。肉眼では見えない小さな微生物のなかには、このような「世界を変えるものづくり」の“才能”をもつものが、確かに存在するのです。
人に合わせて進化した微生物が水や土壌をクリーニング
有用な物質をつくり出すだけでなく、物質を分解するのも微生物が得意とするところ。自然界において、微生物は天然、人工を問わず、様々な化合物を分解することによって環境を守っています。
1960〜70年代の高度経済成長期、人間が新たに創り出した様々な化合物が環境中にまき散らされ、自然環境が大きく損なわれた時期がありました。しかし、進歩するのは人間だけではありません。そうしたこれまで自然界に存在しなかった化合物に、微生物たちは果敢に挑んでいたのです。わずか半世紀後の現在、様々な場所で、人工的な物質を分解するように進化した微生物が数多く発見されています。
アミノ酸の合成に見られるような「ものづくり」と、人工的な化合物さえ分解する「環境浄化」。微生物機能開発学研究室では、この正反対の2つの方向で、それぞれ優れた「才能」をもった微生物の発見を目指して、日々探索を行なっています。
木の下や水たまりの中。役立つ微生物はどこにいる?
私たちが暮らしている場所のすぐ近くに、様々な能力を持っている微生物が隠れています。「うま味調味料」の例のように産業に役立つ微生物や、土や水をきれいにする微生物が、通学路の道ばたの土から見つかるかも知れません。その探索(「スクリーニング」という)は、発酵食品、樹木の根もとや田んぼの土、水たまりの水など、微生物源となるサンプルをたくさん集めることから始まります。一説によると、1 gの土のなかに含まれる微生物の数は1億〜10億個。そのなかから、抜群に得意なことをひとつ持つ微生物にスポットライトを当てるのです。 学術的には同じ種類の微生物が、まったく違う働きを持っていることもあって、興味は尽きません。微生物の世界には、まだまだ豊かな可能性が秘められているのです。
「試験管の液色が変わった!」夢中になれるバイオの宝探し
微生物の探索は「宝探し」によく似ています。実験中に試験管のなかで求めていた変化が起こったときの喜びは、発見した人にしか味わうことができません。小さな世界とじっくり向き合ってみれば、そこからきっと大きな夢を見つけることができるはずです。

研究設備・研究フィールド

研究設備

試験管・フラスコ振盪機、恒温槽 (1F 微生物培養室)
試験管・フラスコ振盪機、恒温槽
クリーンベンチ
オートサンプラー+ガスクロマトグラフ
超遠心機、フレンチプレス
定量PCR装置
低圧クロマトグラフィーシステム
ジャーファーメンター
DGGE泳動装置
マルチビーズショッカー
高速液体クロマトグラフィー+多波長・示差屈折検出装置
位相差顕微鏡
化学発光検出装置(LAS)

卒業研究の一例

  • D-アミノ酸生産に有用な微生物の探索
  • 葉面細菌の光応答
  • クルクミン分解機構の解明
  • 高酸素濃度条件下でのMortierella alpina 1S-4株の脂肪酸組成
  • 産業利用に有用なリパーゼの探索
  • 排水処理に有用な微生物の探索
  • 環境汚染物質分解酵素のスクリーニング
  • 亀岡産大麦を用いたビールの開発
  • 麹甘酒の製造/成分分析手法開発
  • ワインブドウの栽培と醸造用酵母の探索