京都学園大学

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Departmentバイオサイエンス学科

分子生物学研究室(分子生命科学コース)

更新日:2015年11月9日(月)
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生物体が内や体外から受ける環境変化による細胞応答の仕組みを、遺伝子の働き、遺伝子群の調節のしくみ、タンパク質の働きの違い、タンパク質の構造変化などに着目し、細胞レベルから分子レベルで研究します。

特にがん、神経変性疾患、生活習慣病などの疾病や細胞の発生や分化の調節をターゲットとして関連する遺伝子やタンパク質の機能を解明します。

さらに、治療薬の開発や予防のための機能性食品開発を目指しています。

研究内容

病気に関連する遺伝子やタンパク質の機能構造解析

がん、生活習慣病や神経変性疾患は高齢化社会では益々増えていく病気です。これらの病気は細胞内において遺伝子やタンパク質の働きが変わることで発症します。私たちの研究室では、病気に関わる遺伝子やタンパク質の機能や構造を解明することにより病気の発症メカニズムを理解し、それを基にして病気の治療薬の開発や予防に役立てようとしています。

特にがんの治療法開発では、がん抑制遺伝子がどのようにがんを抑えるかを、ヒトのがん細胞を培養して詳細なメカニズムを解析しています。そして特定のがんの原因遺伝子に作用することで副作用を軽減できる分子標的抗がん剤の開発を行っています。また、神経変性疾患ではパーキンソン病の様々な原因遺伝子を標的にし、その発症メカニズムの解明を行っています。

機能性食品の作用メカニズムを分子レベルで明らかにする

高齢化社会の急速な進行とともに糖尿病、筋委縮(サルコぺニア)、骨粗鬆症、変形性関節症など様々な疾患が増加しています。これらの予防を目的とする機能性食品の開発では、分子レベルでその作用メカニズムを明らかにすることが期待されています。私たちの研究室では、様々な食品成分に着目し分子生物学的手法を用いて生理活性評価を行い、どのような疾患に効果があるのかを詳細に解析し、それぞれの疾患に最適な機能性食品の開発を行っています。

特に加齢に伴う筋萎縮(サルコぺニア)の予防を目的とする機能性食品の開発では、卵白由来のペプチド成分が有効であることを明らかにしています。運動と同じ作用メカニズムで卵白由来のペプチド成分が筋肥大を促進することが分かりました。他にも、骨粗鬆症には卵黄由来のペプチド成分が、変形性関節症ではキダチアロエの成分が効果的であることが分子レベルで分かりつつあります。

遺伝子を操るタンパク質の働きを探る。

私たちの身体の60兆個に及ぶ細胞は同じ遺伝子を持っていますが、すべての遺伝子を使っていません。それぞれの細胞で使う遺伝子が異なることで、多様な細胞が働いています。受精卵から発生する細胞は、発生が進むにつれて、いろいろな細胞の種類に分化していきます。分化する時に使う遺伝子セットを換えたりします。多くの遺伝子を働かないように片づけたり、決まった遺伝子を大いに活用したりしています。そこで、細胞が分化する時にDNAに結合するタンパク質のいろいろな働きを追求しています。特に、分化過程でDNAのメチル化CpG配列パターンの変化やメチル化CpG配列に結合するタンパク質の働きが注目されています。また、脂肪細胞、色素細胞、骨細胞、筋細胞などへ細胞が分化する時のミトコンドリアの役割など細胞小器官にも注目しています。

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タンパク質の集合体のメンバーを明らかにする。

タンパク質は淋しがり屋で一人ぼっちで存在することはほとんどありません。生体内でおこっている多くの生命活動では、いろいろなタンパク質が巨大な集合体を作って、働いています。また、このような集合体の構成メンバーであるタンパク質群は細胞を取り巻く環境に即応して、常にいろいろなタンパク質のメンバーが変化しています。健康な正常細胞と不健康ながん細胞ではこのメンバーが変わっていることがあります。このようなタンパク質集合体の変化を最新の機器や技術を使って解明することは、いろいろな病気の原因を明らかにすることに役立ちます。私たちの分子生物学研究室では、このように細胞レベルでタンパク質の分子レベルの基本的な姿を明らかにすることに挑んでいます。

学生によるゼミ紹介

A.Kさん(担当教員:松原守教授)

卒業研究報告の様子やゼミ旅行、学会発表など研究室内で開催されているイベントなどを紹介してください。
研究室では定期的に懇親会(歓迎会、忘年会)など、様々なレクリエーションがあります。お昼時には研究室の仲間が常に集まりとても良い雰囲気の研究室です。週に1回、論文抄読があり研究室で行われている研究について深く学べます。また、生化学会や分子生物学会に参加、発表して、最先端の研究領域を勉強する機会もあります。
ゼミ紹介
卒論のテーマについて教えてください。
大学での講義や実験を通して次第にバイオテクノロジー分野の中でも医療分野に興味をもつようになり、人の役に立つ研究がしたいという思いから分子生物学研 究室を選びました。研究室では、がん抑制遺伝子の機能と構造を解析するテーマを卒業研究に選び、実験に取り組んでいます。増えつづけるがん細胞に、がんを 抑制すると考えている遺伝子を導入し、がん細胞の増殖を抑えることを試みています。がん抑制遺伝子が、どんな仕組みで、どのように作用するのかを解明する ことで、実際のがん患者にとって副作用の少ない抗がん剤として医薬品の開発につなげることを目指しています。
将来、分属を希望する学生や受験生に、コメントをお願いします。
大学に入ったら勉強はもちろんのこと、他に何か一つでいいので「これだけは頑張った」と自信を持って言えることを作るといいと思います。きっと何かの形で自分にとってプラスとなり、また充実した大学生活を送るきっかけになると思います。大学は自由な分、自主性と責任が求められます。自分で目標を決めて、それに向かって自分で考え、責任をもった行動して欲しいと思います。

教員紹介

松原 守

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