京都学園大学

京都学園大学

Newsお知らせ

ハチ博士のミツバチコラム:ツマアカスズメバチ

更新日:2016年3月14日(月)
このエントリーをはてなブックマークに追加
挿絵:おおくぼひとみさん

挿絵:おおくぼひとみさん

 昨年韓国で開催されたアピモンディア(国際養蜂協会の学術会議)に参加した際、蜂蜜や養蜂資材の展示・品評会のほかに、養蜂場を訪問するツアーが有ったので参加しました。訪問した養蜂場ではミツバチの天敵であるツマアカスズメバチが飛び交っており、養蜂場の人に借りた捕虫網でその1匹を捕まえて、詳しく観察することができました。スズメバチが居ない国からの参加者は恐れていましたが、日本はスズメバチ類が多いために私も普段から扱いに慣れていて、簡単に捕まえることができました。尻の先端部分が橙色~赤色をしているために端(つま)アカスズメバチの名前になったのでしょう。

 中国、東南アジアが原産地ですが、韓国に侵入して主にミツバチを捕食したために養蜂業に大きな被害が出ました。日本では韓国に近い対馬島にはすでに侵入して被害が出ており、最近では北九州市でも自然の巣が見つかりました。体長はキイロスズメバチと同じくらいですが、高い樹木の上の方に大きな巣を作り、とても攻撃的で繁殖力が強いと言われています。日本中に生息域が拡大すると養蜂や受粉に甚大な被害が予想されます。

 ただ一つ、日本に光明が有るとすれば、それはオオスズメバチの存在かも知れません。オオスズメバチは世界一大きなスズメバチで、多くの昆虫を捕食します。もし、オオスズメバチが居なければ、作物の害虫駆除に今の数倍の農薬が要ると言われているくらいです。ミツバチもオオスズメバチにやられますが、スズメバチの仲間も手当たり次第に捕食します。従って、ツマアカスズメバチが侵入しても日本ではオオスズメバチにやられる可能性が有るということです。そう考えると、憎らしいオオスズメバチが頼もしく見えませんか?

(坂本文夫 中京しんぶん2016年2月15日号掲載)