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第4回 京町家「新柳居」連続セミナー・和の花と生き物文化の再生を開催しました

更新日:2017年1月10日(火)
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フタバアオイ、チマキザサ、キクタニギクなど、京の文化を支えてきた植物が今、激減しています。保全再生の取り組みと課題を広く知っていただき、今後の展開はどうあるべきかを考えるセミナーを、京町家・新柳居にて実施。「和の花と生き物文化の再生」という大きなテーマのもとに各回、興味深いテーマを設ける、全6回の連続公開セミナーです。

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12月13日(火)、4回目のセミナーとしてKES環境機構の津村昭夫専務理事を講師に招き、「企業と生物多様性:「和の花」保全再生の社会的展開」を開催。朝からの雨で足もとが悪いにもかかわらず満席となった会場で、参加者の皆さんが津村さんの話に熱心に耳を傾けました。

KESとは、京都発の環境マネジメントシステムの規格。持続可能な発展に貢献する企業や組織の環境管理の取り組みに対する国際規格としてはISO14001 などがありますが、KESは中小企業や地域が取り組みやすいシンプルで低コストのシステムが特徴です。2001年のスタートから登録事業所数は年々増加しており、’16年11月末現在全国で4,700件を超え、またその取り組みの成果として、1事業者あたり年間約11トンのCO2削減を実現したそうです。

このKES登録事業所のネットワークを生かした取り組みが、「京都市生物多様性プラン」に基づく活動である「KESエコロジカルネットワークプロジェクト」です。これは、京都の歴史や文化にゆかりの深い希少植物の生息域外保全活動として、京都市内の自生株に由来するフタバアオイ、フジバカマ、キクタニギクなどを自社敷地内などで育てていくもの。生物多様性に対する理解を深めるとともに、京都の伝統文化に貢献するという『誇り』にもつながっていると話されました。

パイロット事業として実施した’14年度の18社から、’15年度は96社、’16年度には180社へと参加事業所は急拡大しています。今後は京都市立小・中学校や京都市外へも広げ、また鉢植え栽培だけでなく、敷地内緑化やその他の生態系保全活動にも取り組んでいきたいと述べられました。

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続いて京のアジェンダ21フォーラムの井上和彦事務局長が、KESエコロジカルネットワークの活動を紹介。和の花を守る意義や具体的な栽培・管理の仕方を伝えるために行っている説明会や講習会も、参加事業所の増加に伴って実施規模が拡大したそうです。この取り組みだけで生物多様性保全の問題が解決するわけではないが、社内外で関心を高める一助になっていると強調。取り組みに参加する事業所だけではなく、一般向けのイベントも実施していきたいと語られました。

第5回セミナーは2017年1月17日(火)、「フタバアオイを考える──コモンズ論の視点から」をテーマに開催する予定です。

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