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第2回京町家「新柳居」連続セミナー・「和の花と生き物文化の再生(第2期)」を開催しました

更新日:2017年6月19日(月)
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京の文化を支えてきた植物の危機に対する取り組みをテーマとした昨年度の第1期セミナーに続く、連続セミナー「和の花と生き物文化の再生」の第2期。全6回の公開セミナーでは、現地セミナーを含め、いっそう多彩なテーマを設定。専門家と市民、行政それぞれが交流を図りながら、華やかな「和の花」文化の担い手として、実践的な知見や実効性のある活動について学びます。

5月30日(火)、建築家の角銅久美子さんを講師に招き、第2回セミナー「雨庭のつくりかた」が開催されました。本セミナーのテーマ「雨庭」は、アスファルトや屋根などに降った雨水を一時的に貯留し、ゆっくり浸透させるための植栽空間(庭)のことで、治水対策のひとつとして生まれたもの。また、治水だけでなく和の花の生育地ほか多様な役割が期待され、連続セミナーのコーディネーターであるバイオ環境学部・森本幸裕教授が取り組むテーマでもあります。

女性建築士の先駆者的存在であり、現在も一級建築士として活躍される角銅さんは、福岡市の自宅に、ある研究プロジェクトの一環として、流域治水の拠点『あめにわ憩いセンター』を造られました。
自宅近くを流れる樋井川は、これまで幾度となく台風や大雨によって洪水被害を起こしてきたそうです。一方、福岡市はたびたび渇水に見舞われ、庭に水道水を撒くことができないほどの水不足が起きやすいとも。そうした背景のもと、流域住民を中心として立ち上げた市民会議の流れを受け継ぐ「あまみず社会研究会」のメンバーとして取り組んだのが、建物と庭が一体となった中で雨水の活用と治水について学べる空間づくりです。

築50年の木造住宅に、新築時に植えた2本のシンボルツリーが濃い緑陰をつくる『あめにわ憩いセンター』。その雨庭は研究グループの支援も受けて仕組みがデザインされ、地域の人を巻き込んだDIY方式のワークショップを経て作業が進められました。249㎡の敷地内では、約11トンの雨水を貯めることができるそう。古い甕(かめ)を利用した非常用貯水タンクの水を太陽熱で温めて足湯に利用するなど、利水のためのさまざまな工夫が取り入れられています。甕やタンクでの貯水のほか、雨庭に貯留し、ゆっくり浸透させることにより、先年のように最大時間雨量100㎜という豪雨が再来しても、敷地外への流出は抑制されるそうです。

『あめにわ憩いセンター』は、雨水の「貯留」「利用」「浸透」の仕組みを実践的に学びながら、地域や世代を超えて交流できる場。「雨水を貯め、使うのは、楽しいこと。枠を決めず、概念にこだわらず、いろいろな方法で雨とつきあい、楽しい“あまみず社会”構築をめざしたい」。そう結ばれました。

続いて造園デザイナーで緑化協会花と緑の普及員の駒井修さんが、植物の生育環境としての雨庭整備の視点から、植栽に取り入れる「和の花」についてコメント。地域に自生する植物をできる限り使用すること、環境に合った植物を選ぶことなど植栽の基本的な考え方とともに、生育環境別の「和の花」たちを提示。無理なく維持できるように種類を決めることが大切と話されました。

第3回セミナーは6月16日(金)開催。「『和の花』セラピーの可能性」がテーマです。

連続セミナーの詳細はこちら

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