京都学園大学

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第一線で活躍している学外講師の先生方に学ぶ。バイオ環境学部「シリーズ特別講義B」が開講しました

更新日:2017年10月5日(木)
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バイオ環境学部「シリーズ特別講義B」2017

社会の最先端で活躍されている企業や研究所の様々な分野の先生方を講師としてお招きして開講する、2017年度「シリーズ特別講義B」が、9月26日(火)からいよいよスタートしました。
本特別講義は、本学バイオ環境学部の主に2回生を対象に、来年の1月23日(火)まで、毎週1回、全15回にわたって開講される本学ならではのカリキュラムです。
今、まさに明日に向かって動いている技術・開発の最前線を知ることで、学生たちにとっては、実践的な学習の大変いい機会となります。

シリーズ第1回目の講義は、銀行のATMや駅の改札ゲート、製造現場等において今やなくてはならないセンサー技術で社会の礎を築き拓いてきた先進企業、オムロン株式会社のOBであるお二人をお招きして、発明と創造について貴重なお話をうかがいました。

Patentisland株式会社代表取締役社長 久野敦司氏

まず、現・Patentisland株式会社代表取締役社長、久野敦司氏のお話がはじまりました。テーマは、「発明ゼミナール」です。
久野氏はオムロン株式会社へ入社する以前は、海上保安大学校の教官でした。海上保安官から、一般民間企業の研究職への転職。この背景には、学生時代から自身が力を入れていた”発明”の実績があったと言います。そしてこの発明に結びつく創造活動、具体的にはこれまで重ねてきた特許出願などの実績が、就職活動においてどのように有利になるかを力説しました。

自身が発明した実例を紹介しながら、発明とは社会のニーズに適合するための高度な方法開発であり、自然科学のみならず社会科学も含めた広い知見が必要であると語りました。
そして”偉人”とも呼ばれる時代を画した先達たちの発明品を紹介していきました。Panasonicの創始者である松下幸之助氏をはじめ、立石一真氏、相馬黒光氏、孫正義氏など、分野は違ってもそれらすべての発明は、社会が真に求めたものばかりです。

では、どのようにして発明は成されるのでしょうか。そのための方法が披瀝されました。発想のためのフローチャートから、アイデアノートのつけ方、自身が15才の時に書いていた直筆のアイデアノートも紹介しました。学生たちにとっては、実に現実的なアドバイスです。最後に「アイデアノートはいつからつけはじめるか」と投げかけられ、「すぐ今から!」と締めくくりました。

つづいて、現・等価変換創造学会、長田正範氏のお話です。テーマは、『創造は誰でもできる<顧客目線の創造技法>』です。
はじめに語ったのは、「創造は誰でもできる。楽しくできる。」という言葉でした。長田氏自身、1959年に立石電機株式会社(現オムロン株式会社)に入社。1965年には、世界に先駆けて実現した、「磁気カードシステム」の開発実績について説明しました。現在、私たちが普通に活用している、銀行のATMやクレジットカードによる買い物などは、この開発・創造があったおかげであることを実感しました。

等価変換創造学会 長田正範氏

長田氏は、「創造とは、ニーズとシーズのマッチング」と要約します。いくら斬新な創造であったとしても、それは社会や生活者の欲求に応えていなければないと説きます。つまり「欲求の歴史」こそが「創造の歴史」なのです。
また、商品開発の鉄則は、つねに「顧客ファースト」であり、「創って終わり」ではなく、社会で役立つ、つまり「マーケットイン」であるべきと述べます。

ニーズとシーズをどのようにマッチ(フィット)させるか、その思考のプロセスが、いくつかの開発事例をもとに図示されました。顧客である生活者が何を求め、それに応えるための事業戦略は、どのように組み立てられるのかを綿密な図式で説明しました。そして創造開発とは、「全人格の表現の場」とつづけます。

結びは、湯川秀樹博士の「アイデアの秘訣は執念である」という言葉をあげ「高い志を持って、諦めないで執念を燃やし続ければ、必ず夢は叶う」と力強く締めくくりました。

久野氏の「発明」と長田氏の「創造」。そのどちらもが、この社会へ現実的に貢献するための人間の意欲や情熱に支えられていることを感じ学ぶことができました。
これから、開発・技術者として歩んでいく学生たちにとって、力強い示唆に富んだ特別講義となりました。

「シリーズ特別講義B」では、月桂冠株式会社の秦洋二常務取締役兼総合研究所長をはじめ、医薬品、食品メーカー、国などの独立行政法人の研究所の方など、今後も魅力的な講師陣をお迎えする予定です。