京都学園大学

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ハーバード大学教授による講演会「終末期ケアの葛藤」を開催しました

更新日:2018年6月20日(水)
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120日(土)に本学京都太秦キャンパスみらいホールで、ハーバード大学教授(比較文学)でハーバード大学アジアセンター所長のカレン・ソーンバー教授による講演会「終末期ケアの葛藤―日本、イギリスとアメリカからの観点」を開催しました。市民や本学教職員・学生など約90名が参加しました。

 

ソーンバー教授は、まず、近年、終末期ケアの在り方をめぐる問題は、世界中で深刻になってきており、多くの場合、不適切な医療の在り方が、病気そのものに由来する苦しみ以上の大きな苦痛を終末期にある患者に与えることになっていると指摘、今回の講演では、終末期にある患者をめぐる問題を描いた文学作品(フィクションもノンフィクションも含む)を、英国、米国、そして日本から取り上げて分析しました。

 

日本の文献からは、山崎章郎『病院で死ぬということ』、瀬戸上健二郎『Dr.瀬戸上の離島診療所日記』、南木佳士『木肌に触れて』などを紹介、尊厳死、家族のサポート、医療関係者の役割などについて、「(患者を)救うことは治すこと以上に難しい」(瀬戸上)などさまざまな文献からの引用をしながら解説、医療関係者・患者・家族が、終末期にある患者をいかに治療し、そして回復や癒しを与えるかについて葛藤しているかを浮き彫りにしました。

 

 

そして、最後に米国の外科医アトゥール・ガワンデ『死すべき定め』からの一節「私たちは医療の務めのあるべき姿を間違えていた。健康と生存を保証することだと考えがちだが、実はそれよりも大きいんだ。患者を幸福にすることである」を引用して、講演を終えました。

 

 

講演のあとの質疑応答では、「世界共通の尊厳死の在り方というのはあり得るのでしょうか」という質問があり、ソーンバー教授は、「『尊厳』ということの意味は、個人や社会、文化によって異なるので、世界共通の在り方というのはあり得ないと思う。社会が、人間は『どう生きるべきか』、『どう死ぬべきか』を決めようとすること自体が誤りだと思う」と答えました。

2018/01/23

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