京都学園大学

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京町家「新柳居」連続セミナー・お茶を楽しみ科学する
[第6回]お茶を食べる~お茶の栄養すべて摂れてますか?~を開催しました

更新日:2018年8月7日(火)
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これまで、京都学園大学京町家「新柳居」で開催されている人気の連続セミナー・お茶を楽しみ科学する、シリーズ最終回は、予定されていた7月7日当日が悪天候となり、7月28日(土)に変更して、京都太秦キャンパスで行われました。
講師に、日本茶インストラクター、株式会社福寿園 ものづくり企画部長 渡辺祐子先生をお迎えし、お茶に含まれる豊富な各栄養成分を効能に応じて効率よく摂取する方法について科学的な知見をまじえてお話しいただきました。

お茶には、私たちの身体にとってとても良い成分が含まれていることは、古くから知られてきました。講義ではまずこのお茶に含まれる成分と効能が掲げられました。大きく分けて5つです。1.カフェイン(目覚まし、脂肪燃焼)、2.テアニン(集中力向上、睡眠)、3.カテキン(抗酸化効果、脂肪燃焼)、4.ビタミン・ミネラル(諸効果)、5.カテキンEGC(免疫力向上)。さて、これらの各成分は、どんなお茶の種類に多く含まれていて、どのように淹れると効率よく摂ることができるのでしょうか。先生は、「とにかくお茶を楽しく美味しく、そして効能があるものは効率よく摂っていただきたい」と講義の主要なテーマが語られました。

まずお茶の成分としてごく広く知られているカフェインです。子どもたちにとっては、あまり多く摂ると睡眠の妨げにもなります。逆に、目覚めにいただくと、シャキッと爽快に眠気が解消されるという効果もあります。この成分量は、収穫期によって分類される一番茶と三番茶を比較してもその差はあまりありません。しかし、葉に比べて茎の部分にはあまり含まれていないことが語られました。また、玉露や抹茶には多く含まれ、被覆され育った茶葉でも多くなります。さらに茶葉を浸出する湯の温度や時間によっても含有量が変化してきます。このように茶の種類や淹れ方を工夫すれば、子どもたちにとっても安心していただくことができるのです。
ここで、参加者に、先生が開発された、カフェインを多く含んだお茶『はやおき煎茶』が出されました。苦味があるもののすっきりした味わいがあります。

同様に、リラックス効果や集中力を高めるテアニン(アミノ酸の一種)は、三番茶よりは一番茶、茎の部分に多く含まれ、水出しでいただくとさらに高い効能が得られることが示されました。とくにリラックスしたい時には、茎茶がいいのです。
抗酸化や脂肪燃焼効果を高めるカテキン(緑茶ポリフェノール)は、一番茶よりもよく太陽光を吸収している三番茶の方が多く、茎の部分には少ないことが示されました。さらには熱湯で浸出時間を長くすれば、より多く抽出されます。
各種ビタミン類については、目に良いとされるビタミンAは、茶の種類によって含まれる量に大きな差があり、玉露には多く、紅茶にはほとんど含まれないと言われています。また、ビタミンEやビタミンCは煎茶に、ビタミンKは玉露に多く、ビタミンB2は、どんな茶種類にも含まれています。
このように見ていきますと、起床時の目覚まし、空腹時や食後の一服、また就寝前に飲むお茶は、その効能を考えれば、種類や淹れ方の選択によりふさわしい飲み方があることがわかってきます。またビタミン類では、水に溶けやすい水溶性のものと逆に水に溶けにくい脂溶性のビタミンAやビタミンEがあり、これらの成分を効率よく摂るためには、茶を食するのがもっとも効果的だと言います。そこでセミナーでは、抹茶を使った、『抹茶ミルク』と福寿園さんのオリジナル和菓子『宇治のみどり』が出されました。

セミナーではさらに、お茶が優れた機能性と栄養成分に富んだ飲み物でありしかも低カロリーであるかが説明されました。たとえば、1.5グラムの茶で、ピーマン1個分に相当する豊富なビタミン類を摂取することができ、しかもたった4キロカロリーで、続けて何杯も飲むことができるのです。このお茶の豊富な栄養を効率よく摂るために、効能にふさわしいお茶を淹れていただくだけでなく、ふだんの食生活の献立にも工夫を凝らして茶葉をとりいれていくことを先生は推奨しました。
その一例として、先生ご自身がつくられた、緑茶入りの『鯛茶めし』や『肉だんご』などのレシピが紹介されました。

お話の最後には、先生が現在研究をすすめている、新しいカテキンとして注目されている EGC(エピガロカテキン)とEGCG(エピガロカテキンガレート)についてその研究の一端も紹介されました。特にEGCについては免疫賦活効果を持ち、その効果を高めるには、EGCGが出にくい低温での浸出、すなわち“水出し茶”でいただくのが良いとのことでした。

講義のあとの質疑応答も積極的に展開。 お茶をもっと楽しく美味しく、しかも健やかにいただくための、さらなる研究への期待が大いに高まっていきました。

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