京都学園大学

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京町家新柳居市民講座「いつまでも、いきいき元気で過ごすために」の第3回目「地域とのつながりで元気になろう」を開催しました。

更新日:2019年3月7日(木)
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「いつまでも、いきいき元気で過ごすために」をテーマに、口と健康・肺から元気に・地域とのつながりの三つの切り口で、市民の皆様とともに考える、本学 健康医療学部による京町家新柳居市民講座が、2019年2月22日(金)、京都太秦キャンパスで開講されました。

第3回目のテーマは、本学 健康医療学部看護学科 滝澤寛子准教授による「地域とのつながりで元気になろう」です。

いつまでも健やかに過ごすために、私たちの暮らしの中で心がけたいことを様々な角度から提案し、ともに考えてきた本講座最終回は、地域とのつながりと健康についての関係です。日常生活の中で誰もが関わっている、地域の方々とのコミュニケーションや実践活動の大切さを調査結果をもとに明らかにしていきました。

はじめに、先生から「あなたは今、人生の中でどんな時期ですか?」と問いかけがありました。誕生から、結婚、そして子育て、子どもたちの巣立ちも終えて、現在が仮に60歳だとします。平均余命から寿命を計算すると男性で84歳、女性で89歳になります。現在から寿命まで、あと何時間残っているかという計算式が示され、講座に参加された皆さんが、それぞれ自分に当てはめて計算していきました。すると、60歳の場合、人によって違いがありますが、人生は約10万時間以上の自由に過ごせる時間があるということがわかりました。

人生にはその節々に発達段階があり、それぞれの意味合いや達成目標が示されました。たとえば、子どもたちが巣立ち夫婦二人がさらに充実した暮らしを目指します。その後配偶者を失っても現実を見つめ、その時々の生活に適応し、新たな社会性を維持・拡大していくなどの目標が挙げられました。

さて、そうした中で最も大切な「ヘルスプロモーション」活動について示されました。「健康とは生きる目的ではなく、日々の暮らしの資源の一つ」なのです。私たちが健やかに過ごすためにどんな活動をしていけばよいのか。その鍵となるのが「地域とのつながり:ソーシャルサポートやソーシャル・キャピタル」という考え方です。個々人が日々の暮らしの中で食事や運動、休養などに心がけるのはもちろん、そこに仲間がいて、ともに支えながら公的な場を形成していくことの大切さが示されました。こうした社会的ネットワークの中での相互作用が、健やかに過ごすためによい効果を促すことが、様々な調査結果によってわかってきたのです。

全国の60歳以上の方々を対象にした調査では、地域社会とのつながりを持ち、身体によい生活習慣を保っていれば「健康で人生満足」と思っていられるのです。さらに、「自分は健康だ」と思っている人ほど、生命の長さや生活能力の向上にもよい影響を及ぼしていることが調査で明らかになっています。たとえば、高齢者が積極的にボランティア活動をすることで、身体的にも心理面においても充実度が増して、健やかさに好影響をもたらすのです。

こうした「地域のつながり」を組織や地域社会の単位でとらえたものに「ソーシャル・キャピタル」があります。わかりやすく言うと、“ご近所さん”同士の信頼とネットワークの“底力”です。このソーシャル・キャピタルの度合いを全国の地域別に数値化したところ、まだまだその普及と浸透に違いがあることもわかってきました。

今後ますます各地域において、さらなるソーシャル・キャピタルの醸成と市民活動への参加促進や活性化の輪を広げていく必要性が述べられました。

最後に、その効果が様々な角度から図示して掲げられました。健康面では、平均寿命の長さ、死亡率、抑うつ、自殺発生率などへの好影響、また何よりも健康感と充足感を促すことが挙げられ、教育面や治安などの政治面、失業率などの経済面での好影響も示されました。

私たちの心身ともの健やかさは、単に一人の人間個々人のテーマというだけでなく、地域社会において、その関わりの中で醸成・促進されることを学びました。