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先生に聞いてみた【60】服部 陽介 講師

更新日:2017年7月11日(火)
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京都学園大学でユニークな研究に携わる先生に突撃インタビューする「#聞いてみた」シリーズ。60回目は、日常生活の身近なテーマを講義に取り入れ、学生たちの興味の幅を広げていくよう工夫されている心理学科の服部先生に、「心理学」を学ぶ上で大切なことについて、いろいろ聞いてみました。

人間の心や感情について深く考察する。
そのための、積極的なコミュニケーション力を。

学生たちにとっての日常的な関心事を入り口に、「心理学」の奥深い世界を伝えている服部陽介先生。実社会に出ても活きる、その学問の意義について、わかりやすくお話ししていただきました。

Q: 「心理学」に興味を抱くようになられたのは、いつ頃からでしょうか。

中学生くらいまでは「心理学」という学問があることすら知りませんでした。ただなんとなく、自分は文系に進むかなぁと、感じてはいました。高校生になってからですね。「心理カウンセリング」や「プロファイリング」といった言葉を知って、少しずつ「人の心って何だろう、感情って何だろう」と興味をもつようになりました。

大学は文学部に入りました。入学してすぐの1回生の時は文学全般を学び、2回生から心理学を専攻するようになりました。いろいろな分野がある中で、社会心理学を選択しました。ただ、臨床心理学にも興味がありましたので、どちらにも関われるテーマを選びました。

卒業後、名古屋大学に5年、東京大学に2年、大学院で研究を続けました。ずっと続けてきた研究分野は、抑うつ傾向の人が自分の思考をコントロールできない、どうしてもネガティブな思考におちいる、そうした思考や行動、病理の要因について一貫して考えてきました。今もこの研究を続けています。

学生たちにもわかりやすいテーマから、より広い学問的実践へ。

Q: 講義ではどんな内容をお話しされているのでしょうか。

講義では、まず「心理学」の入門編や基礎編といった、基本的なことを概説しています。ただ学生たちは、こうした基礎的なことよりもどちらかと言えば「臨床心理学」の方向に興味をもっている人が多いようです。その興味の方向や幅をさらに広げていくように話しています。まず私たち人間の個々人を対象にしながら、友人関係、対人関係、さらには集団心理や、社会の中での人間の感情や思考のスタイルについて、時には実験や調査のデータをもとにしながら、より科学的にわかりやすくお話ししています。

たとえば学生たちが興味をもちやすいトピックスを15テーマほどあげて、学生たち自身が選んだテーマについて講義をしています。言ってみれば、講義内容の人気投票ですね。どんなテーマか、一例を言いますと、●記憶の話――「あなたの記憶は正しいか、それともニセの記憶なのか」●恋愛の話――「私たちは、なぜ人を好きになるのか」●浮気の話――「人はなぜ、不倫してしまうのか」などです。「心理学の歴史」や「思考の制御」などのオーソドックスで堅いテーマもあるのですが、あまり選ばれません。でも興味の入り口は、何であってもいいんです。「心理学」をただ堅い画一的な学問ととらえてしまうより、日常生活の身近なテーマから入り、関心を自在に広げて、自分自身で考える力を養って欲しいのです。

積極的に人に話しかけ、人の話を聞く。それが肝心。

Q:「心理学」を学ぶことは、実社会でどう活かされるのでしょうか。

学生たちの中には、卒業すると大学院に進んで臨床心理士などをめざす人もいますが、多くは一般企業に勤めるようになります。では、心理学を学ぶことは、社会に出てどのように役立つのかということをお話ししてみます。

大きく2つあると考えています。1つは、あるテーマで実験調査をしてデータを得ます。「人間とはこういうものだ」と漠然と考えているのではなくて、それが数値となって表れてきます。そこから物事をとらえ考察していき、思考の演習というだけでなく、資料に基づいて考えたことを人前でプレゼンします。こうした一連の実践学習が、必ず社会人としての基礎力になると思っています。

もう1つは、人間の感情を考える学問ですから、これから社会に出て、もっともっとたくさんの人たちとコミュニケーションをうまくとっていかなければなりませんね。その際の自分自身のストレスや気分のコントロール法も身につけることができます。また、知識として知っていることが、会社という組織内で働く時に大きくプラスになってきます。

そして自分で考えを組み立て、さらに考えを深める。

Q: 学生たちに、なにかアドバイスすることがあればお話しください。

心理学は心の内を探求する学問ですが、内向する学問ではありません。むしろ、時には町というフィールドに積極的に出かけて行き、できるだけ多くの人に話しかけ、また話を聞くというコミュニケーション活動が基盤になります。

とにかく、自分の好奇心や関心、つまり心をオープンにして対象に迫る。そういう情熱も必要です。わからないことをわからないままにしておかずに、他人の声を聞き、そこから自分で徹底して考えていく。そういう姿勢を持続しながら、学問する喜びを感じて欲しいですね。

疑問をもつ。それから必要なことを知る。知ったら組み立ててさらに考えを深めていく。人間の心を考えるためには、自分自身の心の力、人間力やコミュニケーション力が不可欠なのです。

Q: 先生の、好きなスポーツは何ですか。またご趣味は?

小学校・中学校・高校を通じて陸上部に属していました。ただ、走ることよりも跳ぶことに魅力を感じていました。より速くではなく、より「高く」です。それで棒高跳びをやっていました。今から考えると、失敗した時の記憶より、バーをクリアした時の快感の記憶の方が鮮烈に残っています。

大学では、スピードスケートをやっていました。なんだか脈絡がないですね。どうして、「陸上」から一転して「氷上」か。どうも体験して面白かったら、のめりこむタイプなのかもしれません。スノーボードやボルダリングなども楽しんでいます。

それから、他に好きなことと言ったら「食べ歩き」ですね。とくにスイーツが好物。世間で話題になったものや、お店には積極的に足を運んで味わうようにしています。

人文学部 心理学科

服部 陽介(はっとり・ようすけ)講師

愛知県出身。博士(心理学)。東京大学大学院総合文化研究科・日本学術振興会特別研究員PDを経て現職。専門分野は「社会心理学」「感情心理学」「異常心理学」。担当科目は、「心理学基礎」「実践プロジェクトA」等。所属学会、「日本心理学会」「日本社会心理学会」「日本パーソナリティ心理学会」等。

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