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先生に聞いてみた【81】谷口 有子 教授

更新日:2018年2月2日(金)
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京都学園大学でユニークな研究に携わる先生に突撃インタビューする「#聞いてみた」シリーズ。81回目は、健康スポーツ学科の谷口先生に、トレーニング指導のスペシャリストを育成するための心がけについて、いろいろ聞いてみました。

運動することを指導する、スペシャリストへ。
まず肝心なのは、人と人とのコミュニケーション力。

運動を指導する人を育てる。これまでの様々な指導体験を経て、学生たちを導いていく上で今最も大切にし、重視していることについて谷口有子先生にお話をうかがいました。

Q: 先生ご自身は、何かスポーツをされていたのでしょうか。

出身は、神戸市です。中学から大学までは10年間、陸上競技のハードル走をやっていました。走るのが大好きでした。中学生のころにテレビで、五輪メダリストでもあった加藤沢男氏(当時 東京教育大学大学院生)が、体操競技の鉄棒の動作分析をしている様子を見て、将来はこういう研究の道に進みたいと思ったことを記憶しています。大学入学前後は環境問題や心理学にも興味があって、一時はそうした分野も学んでいたのですが、ゼミでは、神経生理学を選択しました。卒論では、運動生理学に関する研究をまとめました。「動く身体について知りたい」「早く動くとはどういうことか」といったことを追究していったのですが、当時はまだ自分がハードル競技の選手でもありましたから、どちらかと言えば、自分自身のための、選手の視点でテーマをとらえていたと思います。

動く身体の仕組みについて知る。そして正しく導く。

Q: これまで、指導者、そして教員へと、たどってこられた道についてお話しください。

大学院へ進み、広くは教育学という括りの中の体育学を学ぶようになりました。ここでは、研究の範疇がとても広範囲で文系から理系まで、実に様々なことを学びました。修士論文では、陸上競技のスタートの「よーい、どん!」のその「よーい」と「どん」の間に、身体の中ではどのような準備を行い、大脳皮質レベルではどのような生理学的変化が起きているのかということを分析、考察しました。博士課程では、さらに脊髄レベルでの考察まで進めていきました。
その後、大学の教育学部の助手として、キャンパス内の教職員と学生たちを対象としたスポーツ施設に4年間勤務しました。体育館、トレーニングルーム、プール、クライミングウォールまで備えた、最先端の施設でしたが、当時、常勤のスタッフは私一人でした。そこで、スポーツ相談員として、体力相談や運動指導だけでなく、施設の管理運営に関することまで孤軍奮闘で忙しく動いていました。そうした様々な現場経験を経て、国際武道大学の体育学部スポーツトレーナー学科で、学生たちを指導するようになりました。トレーナー教育では、日本一といわれた教育現場で、主に一般人の健康・体力づくりをサポートする、「フィットネス・トレーナー」の養成に力を入れて学生たちを指導してきました。

これからの高齢化社会でさらに求められる運動のスペシャリストとして。

Q: 本学では、どういったことを念頭に指導されていますか。

本学の健康医療学部・健康スポーツ学科で学生たちを指導するようになって、三年になろうとしています。新設学部でまだ卒業生はいませんが、学生たちには、様々な施設や現場で、より安全で効果的な運動を指導できるスペシャリストになって欲しいと願っています。本学科には、スタイルやレベルはいろいろですが、スポーツすることが好きな学生たちが多く集います。その好きなスポーツを、自分の仕事にするということは、とても素晴らしいことだと思っています。
具体的には、「健康運動指導士」「健康運動実践指導者」、また「グループエクササイズフィットネスインストラクター(GFI)」などの有資格者となる道も、十分に開かれています。決して簡単ではないですが、これからの高齢化社会にあって、健康寿命の延伸という課題に向けて、フィットネスクラブだけではなく、介護施設や福祉施設、リハビリ施設、運動療法施設など、さらに多くの場で有能な運動のスペシャリストが求められてきているのです。

Q: 運動を指導していく上で大切なこととは何ですか。

運動やスポーツ、トレーニングを指導するスペシャリストになるためには、もちろん科学的な知識や理論構築は大切です。また、経験を重ねることで様々な技術や方法を徐々に身につけていく必要もあります。でもその前に、最も肝心なのは、人と人のふれあいであり、話をしっかり聞き、それに対して的確に応えていくコミュニケーション力だとつねづね思っています。
たとえば、2回生の学生たちを対象に開いている「実践プロジェクト」の授業はそのコミュニケーションの大切さを知るとてもいい機会になります。それは、本学京都太秦キャンパスで毎年実施している、地域にお住まいの高齢者の方々の「体力測定」への実習・参加です。そこでは実際に、学生たちが中高年の人たちと間近に接してお話をしながら各種の測定を行っていきます。ただ立っているだけ、無言でいては事が前へ進んでいかないこともあります。それだけではありませんね。イベントの準備や片付けも学生は体験します。こうしたことは、まわりの人たちと協力しなければできないということも知ります。ある意味で、会場での経験が”小さな社会体験”にもなっているのです。

まず自分から、積極的に動く。元気を共有・共振するために。

Q: ご自身が日頃から心がけていること、行っていることは?

人との接し方、ふだん行動を見ていてもよく感じているのですが、学生の皆さんには、ぜひ何事にも積極性を見せて欲しいですね。”一歩前へ”です。よし、自分の道は、自分で開くという気構えを前面に出していくとよいと思います。
人の前に立って、身体を動かすことを指導していくのですから、その人に活力や積極性があることが大切です。指導の肝要と言っては単純ですが、まずは自分が”動いて教える”ということなのです。 私は、ウエイトトレーニングやエアロビックダンス等のトレーニングをずっと続けています。運動を指導する人を指導するのですから、まず私自身がはつらつとしていなければならないとつねづね意識しています。もちろん、身体を動かすことは、今でも大好きです。
これからも学生たちとともに身体を動かしながら、現場で役立つ指導法を伝えていきたいと思っています。

健康医療学部 健康スポーツ学科

谷口有子(たにぐち・ゆうこ)教授

博士(教育学)。東京大学教育学部助手、国際武道大学体育学部スポーツトレーナー学科教授、大学院武道・スポーツ研究科教授を経て現職。専門分野は、「健康スポーツ科学(運動生理学、トレーニング科学、体力科学)」。担当科目は、「健康スポーツ指導方法論」「運動生理学」「体力測定評価論」「健康フィットネス実習」など。主な研究内容は、「トレーニングが脳・神経・筋系に及ぼす効果」「健康・体力づくりのための運動教室の効果」。

 

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