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先生に聞いてみた【86】川﨑 雄二郎 准教授

更新日:2018年6月20日(水)
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京都学園大学でユニークな研究に携わる先生に突撃インタビューする「#聞いてみた」シリーズ。86回目は経済学科の川﨑先生に、実生活において幸福を得るための経済学の実践学習について、またみなさんへのメッセージなど、いろいろ聞いてみました。

誰にも身近な、経済活動を通して
その本質的なメカニズムを探る。

ふだんの、消費生活を通じて私たちの経済活動の仕組みを探る。たとえばゲームのメカニズムと同じように。実生活の幸福を得るための経済学の実践学習について川﨑雄二郎先生にお話をうかがいました。

Q: ずっと、経済学には興味をお持ちだったのでしょうか。

出身は、愛知県の春日井市です。小・中・高と育ちました。ずっと数学の教師をめざしていました。ただ、中学生の頃に先生からマーケティングの話を聞いて興味をもったことをおぼえています。大学は、そうした思いもあって理学部に入って数学を学んでいきました。
今動いている世の中のことを、数学的な視点で見ることをとても面白く思っていました。
大学3年生の頃ですが、「自分が本当にやりたいことは何か」と見つめ直したのです。その頃からしだいに、数学理論よりも世の中の事象そのものへの関心が高まっていき、経済学への興味が増していきました。
そして、この経済学をさらに学ぶべく、大学院へ進み、現在のミクロ経済学の分野の研究を進めていくようになりました。

経済のメカニズムをゲームの理論で説く。

Q: 先生のご専門の研究分野についてお話しいただけますか。

現在の私の主な研究分野は、大きく分けて「ゲーム理論」と「マッチング理論」の2つなのですが、その一つである「ゲーム理論」についてお話ししてみましょう。
一般的には、経済学は、平たく言えばお金の流れを学ぶ学問と考えられがちですが、その本質を見つめていけば、人と人の間での駆け引き全般、そこにある市場原理を知るということが目的であると考えています。言いかえれば、人間の行動におけるメカニズムや、財の配分方法などについて考えることで、社会や経済の仕組みやあり方を研究していく学問なのです。
「ゲーム理論」は、このような社会や経済にまつわる事象を、「ゲーム」ととらえて分析していく考え方です。経済学とゲーム、一見かけはなれた領域のようですが、実は原理的には、とても共通していて、これを照合していくことはある意味で現実的な研究手法でもあるのです。

Q: 「ゲーム理論」って、みんなが知っているゲームのことですか。

経済学が対象とする本質的な側面を、人と人の駆け引き全般とお話ししましたように、この”駆け引き”ひとつとってみてもゲームの本質と同じですね。
ゲームにおけるプレイヤーの目的は、プレイヤー同士が互いに様々な思いを交錯させつつ、協力や対立をしながら、自分自身の利益を最大限にしていこうとします。言うなれば、そうした過程をへて、自らの”幸福度”を高めていこうとしていきます。これらの要素をつぶさに見つめていくと両者の原理が共通していることがわかります。
たとえばネットオークションでたとえてみましょう。これはネットを通じた経済取引ですね。そこでは、商品の買い手と価格を決めるためのルールが定められています。ルールにはいろいろな種類がありますが、ほとんどの場合は、購入を希望する人たちの中で最も高い価格を提示した人が買い手として選ばれます。購入を希望する人たちは、示された商品の評価をし、自分は提示する価格をいくらにするかを考えます。なるべく安い価格で購入したいところですが、ある程度高い価格にしないと買い手になることができません。これなどは、ゲームと似ているというよりも、ゲームそのもののようになっています。

ネットオークションや結婚問題も経済原理と同じ仕組み。

Q: 講義ではどのようなことを話されていますか。

講義やゼミの時間では、このような経済の本質的なメカニズムを、より学生たちにもより身近な話題に近づけて話すように心がけています。まず、経済学が、自分たちの生活に密接に関係する”活きた実学”であることをしっかり学んで欲しいですね。誰もが日常的に経験しているコンビニエンスストアでの買い物においても、そこに消費メカニズムや生産、供給メカニズムといった経済学が対象とする本質的な側面が介在していることは明らかです。ふだんなにげなく消費している商品に対して「自分がなぜそれを選んだのか」、「この商品はなぜ高いのか(あるいは安いのか)」などと考えることはあまりないですが、一度振り返って理由を探っていくことで、様々なことがわかってくるのです。また、先ほどネットオークションもそうですが、たとえば結婚問題などについても経済学の理論(マッチング理論)でもって語ることが可能です。そういうところに、経済学、とくにミクロ経済学を学ぶ面白さがあるのです。

なぜという疑問を知って解明。それが幸福へのツールに。

Q: 経済学を学ぶ意義について、先生のお考えは?学生たちにひとことを。

卒業して社会に出た時に、こうした市場や経済におけるメカニズムを少しでも知っていることは、生活していく上で大きな助けになると思うのです。
買うということ、売るということ、そして取引をするということ。たとえごく身近で小さなことであってもそこには、世の中の本質的な側面があるのです。そういうことを自覚できるだけでも学ぶ意義はありますね。しかも知ったことが、さらにその先の自分自身の幸福を見つける手助けにもなってきます。世に出てからの単なるインテリジェンスと言うだけではなく、その幸福へ向かう意思決定への強いツールとなるのです。

話を広げて、大学生活全般ということで言いますと、学生たちには、この与えられた貴重な時間を思う存分、有効に活用して欲しいですね。何をやればいいかは、自分で自由に決めたらいいのです。世界に出ていって見聞を広めるのもいいでしょうし、日本一周など一つのことに打ち込むもいいですね。
社会に出たら、時間の制限が今より厳しくなるのは確実です。その時になったらできないことを、じっくり考えて、今この時にこそできることを見つけて実践して欲しい。

Q: 先生が日頃から、趣味になさっていることはありますか。

これは大学を志望した動機のひとつでもあるのですが、そこに好きなアカペラグループがいたのです。それで入学と同時に彼らの所属する同好会に入会して、ボイス・パーカッション担当として活動してきました。ちょうど”ハモネプ”などがブームになっていた頃です。夢中になって、音に磨きをかけて熱中しました。大学院まで、ほぼ10年やってきました。
Jポップからジャズまで、レパートリーはまあまあ広くカバーしていました。今でも、ドラムやパーカッションの音を、音声だけでサポートすることはできると思います。不思議に思うかもしれませんが、音楽を通して得た教訓や物事のとらえ方・考え方は、講義や研究を行う際に大いに活かされています。やってきてよかったですね。皆さんも、大学に入ったら勉強はもちろんですが、それ以外にも自分が、熱中できることをぜひ見つけてください。

経済経営学部 経済学科

川﨑雄二郎(かわさき・ゆうじろう)准教授

博士(経済学)。京都大学大学院経済学研究科博士後期課程学修認定退学。九州大学大学院システム情報科学研究院学術研究員、関西学院大学商学部助教を経て現職。専門分野は、「マッチング理論」「ゲーム理論」「理論経済学」。担当科目は、「ミクロ経済入門」「ミクロ経済学」「専門ゼミA・B」「スタートアップゼミA・B」「実践プロジェクトA・B」等。所属学会は、「日本経済学会」「米国経済学会(AEA)」。

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