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先生に聞いてみた【88】跡田 直澄 教授

更新日:2018年8月3日(金)
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京都学園大学でユニークな研究に携わる先生に突撃インタビューする「#聞いてみた」シリーズ。88回目は経済学科の跡田先生に、自分たちの生活がつねに経済やその政策と深く関わっているということなど、いろいろ聞いてみました。

私たちの生活にとって、身近なこと。
経済、財政の問題を知り、考える。

経済や経済政策は、私たちの暮らしの背景にあって大きく関わる大切な問題。それらを知り、学ぶことで、実社会で生きた教養になると語る跡田直澄先生に、経済学を学ぶ意義について語っていただきました。

財の公正な分配は、どうなされるかを考える。

Q: 経済学の研究者となるまでの道筋についてお話しください。

出身は、名古屋市で15才まで住んでいました。高校生の時に父の仕事の関係で飛騨高山に移りました。大学生活は、東京でした。大学院は、大阪でした。いくつかの街を移動して住んでいたことになりますね。振り返ってみますと、高校生や大学生になった頃は、経済学への興味というよりも、哲学書や思想書をよく読んでいました。
大学に入って、人生の恩師とも言える先生に出会って、徐々に本格的に戦後の近代経済学、とくに統計学、所得分配の統計分析等について学び、大学院でさらに深く研究を進めていきました。これはどういう研究かと言いますと、当時から、所得の分配において、たとえば大企業と中小企業間では、不公正といった大きな歪みが問題になっていました。つまり格差ですね。本来ならば、冨は、能力に応じて分配されるべきものが、そうなっていない。まず、徹底してこれを統計学的に分析していくわけです。そして解消への道を探っていくのですが、これが難しいわけです。言ってみれば、この所得分配というのは、現在でもそうですが、経済政策における”永遠の命題”とも言える難題でもあるのです。

マクロとミクロ、より広い経済学的な視点からテーマを掘り起こす。

Q: 「所得分配論」、とても難しそうな研究テーマですね。

もう少し具体的に言いますと、中小企業を大事しない大企業の経営手法をどう正していくのかといったことを考えていきますと、単にわが国一国の問題であるだけではなく、現在の国際関係についてもあてはまりますね。実際に、世界経済の状況を見ていきますと、先進国と途上国の間では、あきらかに分配の格差、不公正な実態があらわれてきていることがわかります。
また、国内においては、少子高齢化等の現状から、高齢者を中心にした年金問題が深刻化してきていますね。つまり財政学的な見解も求められるのです。

国の財務(ファイナンス)は、国民の税で成り立っています。平たく言いますと、国の財布の中の資金をどのように使えばいいかということを考えなければならないのです。そういう意味で言いますと、現在の私の専門である「公共経済学」や「社会保障論」という研究分野は、財政学(マクロ)と労働経済学上の分配論(ミクロ)を横断した学問であると言えます。

Q: では、講義で、学生たちにどんなことを話されていますか?

現在、私の講義では「日本経済入門」や「財政入門」など、基本的な入門編として主に教養的な知識を身につけるための話をしています。
日本経済は、戦後から現代までつねに政策によって動いてきました。戦後のある時期は、鉄鋼や電気、それから資源開発など復興のために特定の産業分野に集中してすべての金を注いできました。その後は、高度経済成長期に入って、経済成長をはたしていきました。
そして、その後バブル経済が起こりやがて破綻していきます。これもまた政策によって生じ、その失敗によって崩壊していったわけです。
このように、講義ではわが国の経済政策と日本経済の関係を歴史的に俯瞰して見ていきます。経済のダイナミズムといったことをできるだけ歴史的な事例をたどりながら、わかりやすく話していくことに心がけています。

経済と社会、私たちの生活との密接な関わりを知るために。

Q: 学生たちには、経済学でどんなことを学んで欲しいとお思いですか。

今の学生たちは、バブルを知らない世代ですね。だからすぐにはピンとこないかもしれません。でも、自分たちの生活というものはつねに経済やその政策と深く関わっていることを理解してくれればいいのです。必ずしも専門的なことを学ぶということだけが目的ではないと思っています。経済と私たちの社会や生活は、相互依存のインタラクティブな関係にあるのです。この関係がより密接に理解できるようになると、たとえば、現実に自分の身のまわりで起っていること、経済の動きにもこれまで以上に関心を近づけることができるようになってきます。「自分のふだんの暮らしは、経済と無縁ではない」それを理解するだけでも大いに学ぶ意義があります。

「我思う、故に我あり」という有名な言葉がありますが、まず自分の身のまわりのことをしっかり見ることが大切。世間で今言われていること、テレビのコメンテーターの発言、「あれっ、本当だろうか」と疑う力、考える力を存分に養って欲しいですね。そして疑念や疑問をもったらしっかり調べる。そういうことが、実社会で必ず生きる力になってくるのです。

Q: なにか、趣味と言えるものはおありでしょうか。

あまりいい趣味と言えるかどうか。堂々とおすすめはしませんが、ずっと競馬には関心があってずっと見てきています。自分の学問に結びつけるわけではないのですが、競馬の予想というのは、いわば、統計学と似通った部分があるんです。確率論、いわば数学的な理論に裏付けられているのですね。
だから、自分なりの確率表に基づいた分析を行って、時折、主に、有名レースを中心にしてですが、観戦したりしながら楽しんでいます。まあ、いろいろと理屈を言ってはいますが、ひとつはロマンなのかもしれませんね。人と馬が織りなすドラマ。そのドラマに少しでも関わっていることに喜びも感じています。

経済経営学部 経済学科

跡田直澄(あとだ・なおすみ)教授

博士(経済学)。大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程単位修得退学。和歌山大学、帝塚山大学、名古屋市立大学、大阪大学大学院国際公共政策研究科、慶應義塾大学商学部、嘉悦大学を経て現職。専門分野は、「公共経済学」「非営利組織論」。担当科目は、「日本経済入門」「財政入門」「地方財政論」「専門ゼミ」「キャリアサポート実践講座」。所属学会は、「財政学会」「統計学会」「経済政策学会」。

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経済経営学部 経済学科

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